生成AIのビジネス領域での浸透が進む一方、建設現場では「どこから着手し、どう業務に組み込むか」を描けずに踏み出せない人も多い。HEROZは建設DX展で、建設領域のコア業務に特化したAI技術と法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」を紹介した。建設AI活用をPoCで終わらせないためにHEROZが課題にどう向き合い、現場の「最初の一手」をどう形にしているかをブース取材から探った。
生成AIの利用は近年急速に進み、あらゆる産業で「現場でどう使うか」という段階に移りつつある。建設業界も例外ではなく、設計・計画の最適化、施工管理、安全管理などさまざまなシーンでAI活用が広がり始めている。
一方で、現場目線で見ると、「何から着手し、どの業務に、どの形で組み込むべきか」といった導入の具体像を描けずに立ち止まっている企業も少なくない。「進め方の悩み」に対して、個別業務に即した活用事例を積み上げ、導入の道筋を提示しているのが、「AI革命を起こし、未来を創っていく」をビジョンに掲げるAIソリューション開発企業のHEROZ(ヒーローズ)だ。
HEROZは、「第10回 JAPAN BUILD TOKYO−建築・土木・不動産の先端技術展−」(会期:2025年12月10〜12日、東京ビッグサイト)の構成展の1つ「第5回 建設DX展」に出展した。ブースでは、建設業界に特化したAI技術と法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」の2つを紹介し、建設分野のAI活用を「実装の話」として具体的に示した。
HEROZのAIソリューション開発事業の強みは、世界最強の将棋AIの開発で培った深層学習を含む機械学習に加え、構想策定から実装、運用までを一貫して担える体制が整っている点にある。建築業界に対してもその体制の下、社内にいる一級建築士の有資格者の知見を生かしながら、事業計画や設計・施工・維持管理など、建設業界で価値創出の源泉となるコア業務の課題にAIを活用し、最適解を導いてきた。
例えば設計部門では、「過去に似た建物を設計していないか」という照会への対応をAIで支援し、探索にかかる手間を削減。設計業務で作成する図面やBIMモデル、仕様書、検討資料は案件ごとに増え続け、しかも散在しやすい。そのため、過去の類似建物の設計資料を参照しようとしても、必要な情報にたどり着くまでの探索だけで時間が溶けてしまう。HEROZはこうした「探索」を短縮する用途で、類似建物を検索するAIを構築した実績を持つ。
さらにBIMモデルを基に、「この階で切ったら断面はどうなるか」を推測する構造断面推定や計画条件から類似建物を提示し、部材数量の比較表を自動生成した例もある。加えて、ゾーニングや間取りプラン探索、工期遅延リスクの検知、仕様書などのドキュメント作成、法令/各種基準や過去案件との照合(レビュー)といった課題もAIで解決してきた。
導入企業からの評価も上々で、「業務内容にもよるが、5分の1、8分の1くらいまで短縮できたという報告もある」とブース担当者は手応えを語った。
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