国土交通省は、令和7(2025)年度スマートシティー実装化支援事業の2次公募で、東京都江東区と静岡県沼津市の2地区を支援対象として新たに選定した。江東区に1650万円、沼津市に1500万円を配分する。
国土交通省は2025年10月10日、令和7(2025)年度スマートシティー実装化支援事業の2次公募で、東京都江東区と静岡県沼津市の2地区を支援対象として新たに選定したと発表した。江東区に1650万円、沼津市に1500万円を配分する。
スマートシティー実装化支援事業は、全国のスマートシティーの計画的な実装を目的に、自治体の実証事業に対して技術面や制度面で支援する。2次公募では、都市の個別課題に対し、デジタル技術を活用して実効的に解決を図る先進事例を採択した。
江東区では、豊洲エリアのにぎわい創出や住民の地域愛着の強化を目指し、公園や広場といったオープンスペースの活用を促進するためのデジタル基盤を構築する。
具体的には、スペース利用者と地域資源をつなぐマッチング機能、集客支援、来場者のデジタル管理、効果検証までを含む一連のデジタル施策を検証する。2025年10月から2026年3月まで実証を実施し、人流データやアンケートでKPIを評価する。
事業費は約3307万円で、豊洲スマートシティ連絡会メンバーの豊洲スマートシティ推進協議会、清水建設、NTTデータが負担する。実装後の運営費は豊洲スマートシティ推進協議会が持ち、サービス提供イベントの増加施策で採算を図る。
沼津市では、観光拠点である沼津港と沼津駅を結ぶメインストリートに、自動運転バスと路側センサーを用いた路車協調システムを導入する実証事業を進める。駅ロータリーの発着における安全性や走行性、急制動や手動介入の頻度を検証し、将来的な本格運用や他地域への展開に向けた課題整理を図る。事業費は約1635万円。観光客数や歩行者通行量データなどを活用して効果検証する。
今回選定された2地区はいずれも、地域課題に対して技術と仕組みを組み合わせて課題解決に挑む「実装志向型」の取り組みとなる。特に江東区は、計画段階から実装段階までを一体で進める「都市サービス実装タイプ」として採択されており、今後の展開が注目される。
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