“借りて返す”から広がるSDGs時代のレンタルビジネス 空気から水を生む給水機などメンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(2/2 ページ)

» 2025年10月10日 09時57分 公開
[加藤泰朗BUILT]
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アートでつなぐ、共生社会への一歩

 「スマイル あーと」は、障がい者アーティストの自立支援や共生社会の実現に寄与するレントならではのサービスだ。アーティストの作品をマグネットシートに印刷し、レンタル車両や重機、作業員詰所などに貼り付けることで、工事現場や工場といった日常の風景が一転、「まちの美術館」へと変わる。

スマイル あーとの作品例。約20種類の作品を用意している(展示会当時)

 レントは、もともと店舗やオフィス向けの絵画レンタル事業を展開しており、その過程で障がい者アートとの出会いがきっかけとなった。作品サイズはA2とA3を基本に、要望に応じてA1サイズも特注対応する。レンタル料はA3が1日20円、A2が30円と手軽で、売上の40%はアーティストに寄付される。作品とともに作家プロフィールを掲示することで、認知拡大と創作活動の後押しにもつながっている。

 「地元出身の作家があれば飾りたい」といった要望も多く、地域に根ざした文化醸成の一助にもなっている。スマイル あーとは、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない社会」の実現にも直結し、企業活動を通じた社会貢献の一形態といえる。

レンタルが拓く、新しい循環の未来

社会のサステナビリティーにつながる製品を展示したコーナー 社会のサステナビリティーにつながる製品を展示したコーナー

 レントのブースは、環境負荷の低減に貢献するAIRLITH、資源循環を実現する独自技術のBRS、そして共生社会を体現するスマイル あーとと、多様な視点から“循環型社会”をサービスの形にしていた。単なる機材レンタルにとどまらず、社会や地球規模の課題に向き合う取り組みは、SDGs時代におけるレンタルビジネスの新たな可能性を示している。

サステナブルコーナーに掲げられた「バイオ燃料の性能比較表」。レントは2024年8月下旬〜2025年1月、バイオディーゼル燃料「B100」をトラック燃料として活用する実証実験を行っている サステナブルコーナーに掲げられた「バイオ燃料の性能比較表」。レントは2024年8月下旬〜2025年1月、バイオディーゼル燃料「B100」をトラック燃料として活用する実証実験を行っている
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