鹿島建設など4社は、JIS規格外フライアッシュを混合した「フライアッシュCSG」 を秋田県内で建設中の成瀬ダム堤体工事へ7250平方メートル導入。フライアッシュ435トンを再利用し、製造時のCO2を従来CSG比で28%削減した。
鹿島建設、国土交通省東北地方整備局、東京大学、ダム技術センターは2025年4月11日、東北電力の協力を得て、JIS規格外フライアッシュを混合した「フライアッシュCSG」を共同開発したと発表した。秋田県東成瀬村で建設中の「成瀬ダム堤体打設工事」に計7250立方メートル導入し、石炭火力発電所で発生する産業廃棄物のフライアッシュ435トンを有効利用。従来CSG比で製造時CO2排出量を28%削減した。
CSGは石や砂れきなどの現地発生材とセメントを水を混合して製造する。フライアッシュCSGはこのうち普通セメントの一部をJIS規格外フライアッシュに置き換えたもの。従来のCSG同等の強度を有すると共に、経時変化が小さく締固め後の密実性が向上することが確認されている。また、材料分離抵抗性の向上や水和熱の低減、アルカリ骨材反応の抑制効果も得られる。産業廃棄物を活用することで、事業発注者に加え、フライアッシュ排出事業者のコスト低減にもつながる。
成瀬ダムはCSGを堤体の主な材料とする台形型のダムで、堤高114.5メートル、堤頂長755メートル、堤体積485万立方メートルの規模を持ち、完成後は国内最大級の台形CSGダムとなる。発注は国土交通省東北地方整備局。施工は鹿島建設/前田建設/竹中土木JVが手掛け、工期は2023年6月から2026年12月までを予定している。
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