経済産業省は「GX建機普及に向けたロードマップ策定に係る研究会」の中間とりまとめを公表した。国内の電動建機「最大導入シナリオ」として、2040年に新車販売台数でミニショベル1万台/電動化率30%、油圧ショベルで6000台/同20%を示した。
経済産業省は2025年1月31日、国内市場における電動建機の「最大導入シナリオ」を公表した。2040年に新車販売台数でミニショベル1万台(電動化率30%)、油圧ショベルで6000台(同20%)を目指す。
シナリオは、米国やフランスの電動化目標、国内市場での電動ショベルの保有台数などを踏まえ設定。「GX建機普及に向けたロードマップ策定に係る研究会」の中間とりまとめの中で示した。努力目標として位置付け、GX建機を取り巻く環境や市場動向などに応じて柔軟に見直していく方針だ。
建設機械の脱炭素化は、建設/不動産業界から施工時のCO2排出削減の手段として注目されており、欧州などでは政策誘導も進みつつある。日本の建設機械は油圧技術を中心に、施工性や耐久性などの品質の高さから国際的に高い産業競争力を有している。2022年のグローバルの建機売上高国別シェアでは米国に次いで第2位(シェア21%、約6.3兆円)。電動化などの動向に応じたパワートレインの多様化は急務となっている。
国交省は、電動や水素燃料など稼働時にCO2排出量がゼロと認められる建設機械を「GX建設機械」として認定する制度を運用し、2024年9月末時点で18型式を認定済みだ。一方でGX建機は、従来機より価格が高いなどの理由で市場導入が進まず、インフラ整備も含めた需給双方で課題が指摘されている。
そこで経済産業省は2024年6月、供給側のメーカーと需要側のユーザーやレンタル事業者でなどで構成される研究会。電動建機などのGX建機の普及に向けたロードマップの作成、投資や導入に関する課題と対応などについて協議してきた。導入促進策に加え、施工現場の充電インフラ整備、協調領域の技術開発、中古建機の適切な販売価格の維持、関係規制適用の整理など、パワートレインの変化に伴う多様な課題の解決に向けて議論している。
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