LIXILの省エネ住宅設計支援システム「LIXIL省エネ住宅シミュレーション」が、HEAT20の住宅システム認証に対応した。HEAT20の地域補正を簡単に試算できるため、省エネ住宅を建てる際の提案用ツールとして役立つ。2025年4月から戸建て住宅の省エネ基準適合が義務化され、住宅事業者にとってはHEAT20などの高いクラスの省エネ住宅への対応が必要となり、今後の需要が見込まれる。
LIXILは2025年4月23日、省エネ住宅設計支援システム「LIXIL省エネ住宅シミュレーション」がHEAT20の住宅システム認証(ルート1)に対応したと発表した。LIXILによれば、HEAT20の住宅システム認証で使用可能な住宅シナリオ評価ツールとしては、民間初という。
2025年4月から戸建て住宅の省エネ基準適合が義務化され、GX志向型住宅補助金なども後押しし、今後ますます省エネ住宅への意識が高まると予想される。そのため、住宅事業者にはこれまで以上にHEAT20などの高いクラスの省エネ住宅への対応を求められる。
HEAT20の住宅システム認証は、各地域の気象条件に応じて断熱性能を評価/認証する制度。評価方法の「外皮性能水準地域補正ツール」では、建設地に最も近いアメダス観測所のデータを基づき、必要な断熱性能値を補正して試算し、精緻に建設地に見合った断熱性能を確保しているかを判断する。
LIXIL省エネ住宅シミュレーションは、住宅設計者向けに無償で提供。省エネ住宅を建てる際、断熱材や開口部商品や設備機器を選択するだけで、外皮性能値と一次エネルギー消費量を自動算出。外皮性能値の算出の際に出てしまう誤差をアメダス観測所を選択するだけで地域補正し、より精緻な断熱性能値を一目で確認できる。
HEAT20の地域補正も試算可能で、基準への適合判定が行える他、提案資料や認定制度申請用の計算書も自動生成できる。
今回、地域補正値の精度の高さや簡易な操作性をはじめ、住宅事業者に分かりやすい設計住宅の地域補正値への適合判定方法やエンドユーザーに説明する提案書と認定/優遇制度の申請時に必要な計算書の自動作成など、住宅事業者が求めるソリューションをワンストップで提供できる点が高く評価され、HEAT20の住宅シナリオ評価ツールとして活用可能になった。
また、2025年4月に外皮性能水準地域補正ツールの算出方法が一部変更されたことを受け、LIXIL省エネ住宅シミュレーションの算出方法も更新。地域補正UA値の計算結果も出力可能になった。
断熱性能の評価では、代表都市の基準値を全域に適用すると、地域によってはスペックが過剰になったり、基準を満たさなかったりする懸念がある。建設地に即した適正な性能値を採用することで、効率的かつ合理的な住宅設計が実現する。
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