「建設DXは半数以上がデジタル化に着手、BIM活用は設計以外で大幅増」野原グループが独自調査調査レポート(1/2 ページ)

BuildApp総合研究所は、75歳以上を迎える団塊世代の大量退職に伴う労働力不足(2025年問題)が迫る中、建設業界でDXの現状などを調査した。その結果、64.2%がデジタル化に着手し、31%が効果を実感していた。

» 2025年05月02日 14時00分 公開
[BUILT]

 野原グループのBuildApp総合研究所は2025年4月24日、労働時間の上限を規制する「2024年問題」に続き、75歳以上を迎える団塊世代の大量退職に伴う労働力不足(2025年問題)が迫る中、全国の20代〜70代の建設産業従事者を対象に、建設産業の抜本的な労働生産性向上の鍵といわれるDXの現状などを調査した。

建設DXの現状は、64.2%がデジタル化に着手

 調査結果によると建設DXの現状は、回答者の64.2%がデジタル化に着手し、31%が効果を実感しているとの結果となった。

 建設DXの効果として「業務プロセス、組織やビジネスモデルも変わってきた」との回答は10.7%。

建設DXで「業務プロセス、組織やビジネスモデルも変わってきた」が10.7% 建設DXで「業務プロセス、組織やビジネスモデルも変わってきた」が10.7% 出典:BuildApp総合研究所プレスリリース

 年代別では、20代や30代といった次世代リーダー層は約4割が建設DXによる変化や効果を実感していることが分かった。

 会社種類別では、スーパーゼネコンや準大手/中堅ゼネコンでは、「デジタル化が進み、業務プロセス、組織やビジネスモデルも変わってきた」「デジタル化が進み、業務効率化/生産性向上を実感できている」との回答が多かった。一方で地方ゼネコン、サブコン、専門工事会社など現場に近い業態の会社ほど、「従来と何も変わっていない」との回答が多い。

年代別_建設DXの現状 年代別_建設DXの現状 出典:BuildApp総合研究所プレスリリース

BIM/CIMを省人化や省力化に活用は17.1%

 官民で注力するBIM/CIMについては、省人化や省力化の目的で活用できているとの回答は17.1%にとどまった。

省人化/省力化を目的に活用できているデジタルツール 省人化/省力化を目的に活用できているデジタルツール 出典:BuildApp総合研究所プレスリリース

 会社種類別では、BIM/CIMを省人化や省力化を目的に活用できているとの回答はスーパーゼネコンで41.9%、専門工事会社で2%と、対照的な結果になった。また、建築主(工事発注者)に該当する不動産デベロッパーは10.0%、官庁は16.7%、不動産業商社と大規模商業用不動産オーナーは10.0%、流通/電力会社/大学は5.0%と、いずれも建設産業全体の結果よりも低かった。

 省人化や省力化を目的に「活用できているデジタルツールはない」との回答は29.8%だった。

会社種類別_BIM/CIMの活用度合い 会社種類別_BIM/CIMの活用度合い 出典:BuildApp総合研究所プレスリリース
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.