実験棟は1階建てで、延べ1050.0平方メートル、12(高さ)×20(幅)×52.5(奥行き)メートルの大空間を確保。3階建ての戸建住宅サイズを室内に収容できる設計だ。60分準耐火構造で、2機で2.8トンのクレーンを整備した他、屋根面には1枚25.1キロの太陽光パネル392枚、総重量9.83トンを設置するなど、住宅では想定していない重量物を搭載した。
420ミリ角×長さ1万2000ミリの柱(燃えしろ設計による木構造の表し)、120×1200×2万ミリメートルの梁などの大断面集成材を使用。高さ3550ミリのCLT耐力壁の3段重ね(総高さ1万2000ミリ)を採用している。
3棟共に高性能断熱材とLow-E複層ガラスによる断熱性向上、高効率機器導入などに加え、太陽光発電システム(3棟合計容量362キロワット)を整備した。一次エネルギー消費量削減率は、オフィス棟106%、研究棟100%、実験棟104%を達成している。
また今回、国交省の「建築BIM加速化事業」を活用。PCやソフトの購入、講習会など社員教育に充当した。講習を経て、設計者は実際に3Dモデルを作成。施工段階では技能者とモデルを共有し、建て方のシミュレーションなどにも役立てたという。
さらに、吉川市と「帰宅困難者一時滞在施設の提供協定」を締結しており、有事には施設を避難所として開放する計画だ。
ポラスグループは2014年度に非住宅木造に本格参入し、実績を重ねてきた。新施設を木造建築の魅力を発信する情報拠点として活用し、非住宅木造事業拡大につなげる。また、顧客接点と研究を近接させて開発スピードの向上を目指す。
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