藤本壮介氏と落合陽一氏が万博見どころ解説 海外パビリオンなど写真で巡るメディアデー大阪・関西万博(1/4 ページ)

2025年4月13日に開幕した「大阪・関西万博」。開会直前の4月9日には、「メディアデー」を開催。本稿では、メディアデーで建築家の藤本壮介氏が会場で解説した「大屋根リング」、落合陽一氏がプロデュースした「null2」、外観が特徴的な海外パビリオンなど、建築の観点で万博の見どころを紹介する。

» 2025年04月14日 08時35分 公開
[松永弥生BUILT]

 2025年4月13日に大阪府大阪市の人工島「夢洲(ゆめしま)」で開幕した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。2025年4月9日には開会に先立ち、国内外の報道関係者を対象に「メディアデー」を開催した。メディアデーでは準備途中を感じさせる場面もありつつ、会場全体にはエネルギーと期待感が満ちていた。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、165の国や地域、国際機関が参加する「大阪・関西万博」 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、165の国や地域、国際機関が参加する「大阪・関西万博」 写真は全て筆者撮影

多様性と未来をつなぐ「大屋根リング」 藤本壮介氏が語る設計思想

 大阪・関西万博の会場構成の中核を成す「大屋根リング」。メディアデーでは、設計を手がけた建築家の藤本壮介氏が、巨大木造建築に込めた思想や技術的背景を説明した。

藤本壮介氏。大屋根リングの一番高いところで撮影 藤本壮介氏。大屋根リングの一番高いところで撮影
大屋根リングの最上階から、会場全体を望む

 大屋根リングは、世界各国のパビリオンが集うエリアを取り囲む直径約600メートルの円形構造で、万博会場のメイン動線となる。来場者を日差しや雨から守る機能を果たすと同時に、「多様な文化や価値観をつなぐ場所」としての象徴的な意味を持たせたという。

 藤本氏は「リングの中に世界中の人々と国々が集まり、未来を共に考えるという事実自体に大きな価値がある」と述べ、建築が持つ「つなぐ力」を強調した。

 設計では、日本の伝統工法と現代技術を融合。柱に穴を開け、梁(はり)を差し込んで固定する「貫(ぬき)工法」を基礎としながら、金属パーツを用いることで現代の耐震基準をクリアした。世界的に注目されている大規模木造建築として、日本発信の意義も大きい。

日本の伝統工法と現代技術を融合。清水寺の舞台にも使われている「貫(ぬき)工法」を基礎とし、金属パーツを用いて現代の耐震基準をクリア 日本の伝統工法と現代技術を融合。清水寺の舞台にも使われている「貫(ぬき)工法」を基礎とし、金属パーツを用いて現代の耐震基準をクリア
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