設計段階でのBIM活用が定着する一方、LODで課題がある中で施工段階で新しい使い方も模索している。
既に鉄骨建て方シミュレーションなど、施工段階での具体的な活用に向けて当社(M&F tecnica)が技術支援している。鉄骨建て方の施工ステップ確認、BIMモデルを活用した施工検討をサポートし、当社が開発する施工段階でのBIMデータ活用を目的としたRevitアドインツール「MFTools(エムエフツールズ)」の導入支援と活用研修も実施している。こうしたツールは躯体数量や土量数量などの拾い出しにも使われている。
タカヤでは電気設備、機械設備、鉄骨工事など、専門工事会社とのデータ連携にも着手している。設備会社や鉄骨ファブリケータからデータを受け取り、タカヤから各社へデータ提供するなど、実践的な連携が始まっている。
BIM推進チームは「足場のモデル化についても現場から要望があり、汎用的な形での提供を検討している」と説明する。施工現場からのニーズに応じ、徐々に施工段階でBIMの活用範囲が広がりつつある。
大型案件の増加に伴い、アフターフォロー体制の強化も喫緊の課題となっている。細屋氏は「大型案件が増えてきて悩んでいるのは対応する人員不足で、早急に増員計画を進めている」と話す。
タカヤでは、メンテナンス専門の部署を設置し、竣工後アフターフォローや既存建物の改修、メンテナンス業務を担当している。しかし、まだアナログな作業がメインとなっており、古い改修案件では竣工図と実態が異なるケースも多く、現場での確認作業に多くの時間を費やしている。
細屋氏は「当社は設計施工会社なので、今後は設計と提案だけではなく、当然ながら施工、さらには建物の維持管理までをBIMデータで追従し、効率的に対応できるようにしたい」と抱負を語る。
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