安藤ハザマはグループ会社の工場で、CO2固定型コンクリート「CARBON POOLコンクリート」を用いたプレキャスト製品の製造試験を開始した。
安藤ハザマは2024年9月19日、静岡県菊川市にある安藤ハザマ興業の菊川工場において、CO2固定型コンクリート「CARBON POOLコンクリート」(CPコンクリート)を使用したプレキャスト(PCa)製品の製造試験を開始したと発表した。
CPコンクリートは、解体時のコンクリート塊や建設現場で未使用となったコンクリート(残コン/戻りコン)や生コン工場から排出されるスラッジケーキやスラッジ水などの産業廃棄物に、CO2を固定し、原材料として再資源化したCO2固定型コンクリートだ。打設後の養生時でも、CO2ナノバブル水などを利用してCO2固定量を最大化することが可能だ。
安藤ハザマは、建設会社や生コン工場、大学など15の企業スライド団体で構成するCPコンクリートコンソーシアム(CPCC)の幹事会社として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」において、2022年からCPコンクリートの開発を進めている。今回の取り組みも、この一環として実施する。
今回の製造試験では、菊川工場に設置したCO2固定化仮設備を用いて、市場に流通している再生骨材にCO2を固定した「炭酸化再生骨材」と、スラッジ水を模擬したセメントミルクを炭酸化させた「炭酸化スラッジ粉末」の、2種類のCPコンクリート材料を製造する。
製造したCPコンクリート材料は、PCa製品製造に活用。脱型後に炭酸化処理を施すことで、コンクリート1立方メートル当たり120キロ以上のCO2を固定するとともに、低炭素型セメントの使用により、同310キロ以上のCO2排出量削減を目指す。
製造試験で製造したPCa製品のベンチは、CPCCが協賛する大阪・関西万博未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」に設置し、耐久性能の測定を行う予定だ。
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