富士通Japanと神戸市水道局は、AIを活用して工事事業者が申請した工事図面上の給水装置記号や配水管の口径などの情報を自動検出する図面審査システムを開発した。
富士通Japanは2024年6月21日、神戸市水道局と共同で、AIを活用した図面審査システム(AI審査アプリ)を開発したと発表した。神戸市水道局は7月1日から、給水装置工事申請業務でアプリの運用を開始する。富士通Japanによると、AIを活用し工事事業者が申請した工事図面上の給水装置記号を自動検出するのは、全国では初の試み。
神戸市水道局はこれまで、戸建住宅などでの簡易な給水装置工事申請の電子化や、リモート検査の導入など、デジタル化の推進により工事事業者の利便性向上を図ってきた。一方で図面審査については、簡易な給水装置工事だけでも年間約6000件の申請があり、多くの人的リソースを費やしていた。
新たに開発したAI審査アプリは、AIを活用した画像認識技術により、工事図面上に記載された約30種類の給水装置記号や配水管の口径、管種、布設年度などの字句を自動検出し、検出結果を一覧で表示する。自動検出された情報は、市が定める給水装置工事施行基準に基づき、職員が最終のチェックを行う。職員の目視による給水装置記号の拾い出し作業の負担を軽減することで審査時間を短縮する。また、AIによる検出結果を工事事業者に示すことで、審査項目が明確になり、工事図面の精度向上も期待できるという。
富士通Japanは今後も、神戸市水道局の取り組みを支援するとともに、AIやデジタル技術を活用し、さまざまな社会課題の解決を目指す。
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