全自動型ドローンで“非GNSS環境下”のインフラ遠隔自動点検システムを開発、飛島建設とKDDI：ドローン（1/2 ページ）

飛島建設とKDDIスマートドローンは、全自動型ドローン「Skydio Dock for X2」と衛星ブロードバンドインターネット「Starlink Business」を用い、インフラ遠隔自動点検システムを開発した。山間部などのGNSS衛星電波が遮蔽され、モバイル通信電波が届かずインターネットが利用できない場所でも運用できる。

[BUILT]

　飛島建設は2024年6月6日、KDDIスマートドローンと共同で、全自動型ドローンと衛星ブロードバンドインターネットを用いたインフラ遠隔自動点検システムを開発したと発表した。

　今回開発したシステムは、2022年9月の全自動型ドローンのレベル3飛行とドローンによる地表面変位計測に続く、共同開発の第2弾となる。

屋内外を問わずドローンの遠隔自動点検が実現

「X2」を用いたインフラ遠隔自動点検　出典：飛島建設プレスリリース

　システムは、ドローン部、エッジ部、ネットワークインフラ部、クラウド部で構成している。ドローン部は、Skydio製のAIで自律飛行する機体「X2」と、自動充電するドローン基地「Skydio Dock for X2」を採用した。非GNSS環境下でも、屋内外でドローンを自動で遠隔運用できる。

インフラ遠隔自動点検システムの構成　出典：飛島建設プレスリリース

　エッジ部向けには、「リモート管制システム」を新たに開発した。Skydio Dock for X2周辺の映像データや気象データを取得し、第三者が接近した際や離着陸の際に、警告灯にで警告を発報できる。

リモート管制システムと搭載したセンサー類　出典：飛島建設プレスリリース

　ネットワークインフラ部は、SpaceXが開発し、KDDIが提供する法人向け衛生ブロードバンド「Starlink Business（スターリンク ビジネス）」やIP65メッシュWi-Fiアクセスポイントを導入した。モバイル通信がつながらない地域でも、インターネット環境を広域で構築できる。