クラウド部は、ドローンで取得したデータを活用するプロセスの一元化を目的に、Skydio APIやMicrosoftのTeams、Azureなどを用いて、クラウドシステムを開発した。リモート管制システム取得データのダッシュボード表示をはじめ、機械学習によるリアルタイム物体検出の通知、専用クラウドへの空撮データの自動アップロード、変状検出、各機能をプラットフォームとして統合している。
有効性検証は、飛島建設とオリエンタルコンサルタンツが共同で運営する山形県米沢市の米沢大平小水力発電所で実証実験を行った。これまで中山間部に位置する小水力発電所では、地形や樹木により、GNSS衛星電波が遮蔽され、モバイル通信電波も届かずインターネットが利用できなかった。
実験の結果、非GNSS環境下でもドローンの安定した遠隔自動運用が可能で、点検業務の迅速化や省力化が実現した。また、ドローンのリアルタイム配信映像(カラーカメラと赤外線カメラ)で、人物や車などのAI物体検出と管理者へのプッシュ通知で、第三者立ち入り管理の省力化と自動記録も可能になった。
また、Skydio機体に搭載した6つの障害物回避用カメラで、周辺環境の視覚情報を取得し、正確な3D環境マップを生成。異なる時期の構図が一致した写真の空撮、2つの空撮画像を専用アプリ上で比較した差分検出で、発電所設備の経時変化の自動抽出も行った。
両社は、屋内外を問わず工事現場で、技能者や資機材のカウントや位置管理、進捗管理、出来高算出といった業務にも適用できるとしている。また、AIの検出精度向上や検出対象の拡大、他のドローンやロボットとの連携も図っていく。
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