JR「東京」駅から徒歩1分の「常盤橋エリア」で、3.1ヘクタールもの都内で比類ない広大な敷地を対象に、「TOKYO TORCH」の街区名称で再開発プロジェクトが進められている。計画では、東京の玄関口に新たなシンボルとなる麻布台ヒルズを上回る高さ390メートルの「Torch Tower」が誕生する。
三菱地所 代表執行役 執行役専務の四塚雄太郎氏は、「第8回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2023年12月13〜15日、東京ビッグサイト)で「TOKYO TORCH〜世界に誇る日本のまちづくり〜」と題し、三菱地所が東京都千代田区の常盤橋エリアで進める再開発の概要と、高さ約390メートルの「Torch Tower(トーチタワー)」建設で概要を解説した。
東京駅前常盤橋プロジェクトプロジェクトでは、高さ約390メートルの「Torch Tower(トーチタワー)」を含む、複数のビルを建設し、国際的な競争力を備えた都市機能を整備する計画だ。既存の下水ポンプ施設や変電所といったインフラ整備、東京駅とつながる地下通路やJR高架下の改修、防災面の設備も備えた「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」の新街区に生まれ変わる。
四塚氏は、プロジェクト概要とメインビルとなるTorch Towerの機能や用途を紹介した。本稿では、その中からTorch Towerに採用した「外殻ブレース制振構造」を中心に採り上げる。
常盤橋エリアには、約212メートルの「常盤橋タワー」と約390メートルの「Torch Tower」という2棟の超高層ビルを新設する予定。常盤橋タワーは2021年6月末に竣工済みで、既にオフィスや店舗が営業している。Torch Towerはオフィスやホテルやホール、店舗などで構成し、2028年春の竣工を目指して工事が進められている。
高層ビルは、耐震性能が災害大国の日本では欠かせない。特にTorch Towerは200メートル級のビルを2本縦に積んだような規模になるため、「南海トラフ」や「相模トラフ」といった大地震で遠くから伝わる長周期の揺れへの対策が必須となる。高い耐震性能に向けた検討の中で最終的に採用されたのが、外殻ブレース制振構造だ。
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