大規模木造建築で『ZEB』認証取得、無印良品の2店舗でZEB(2/2 ページ)

» 2024年06月12日 11時00分 公開
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ZEB物件は年々増加傾向も、木造は全体の10%程度

 エヌ・シー・エヌは今回、2店舗の2店舗の省エネ化の意義と、大規模木造ZEBの普及を目的に、国内にあるZEB物件を対象とした実態調査を行った。

 2016年4月から2024年3月までに4段階のZEB認証を取得した物件は全2407件で、そのうち木造は261件だった。ZEB物件の総数は年々増加傾向にあるが、構造別では、2023年度の累計で木造は全体の11%と、比率はまだ小さいことが分かった。

 また、木造261件の内訳をZEBの段階別、規模別に分類したところ、床面積2000平方メートルを超える大規模建築でありながら、木造化かつZEB認証を取得した物件は3物件のみで、そのうち2物件は今回の無印良品店舗であることが判明した。

 なお、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が公開している事例データ(2024年5月1日現在)によると、木造かつ床面積2000平方メートル以上でZEB評価を受けるのは、今回の2物件が国内では初めてとなる。

ZEB物件数 評価年度累計(構造別) ZEB物件数 評価年度累計(構造別) 出典:エヌ・シー・エヌプレスリリース
木造のZEB物件数(段階/規模別) 木造のZEB物件数(段階/規模別) 出典:エヌ・シー・エヌプレスリリース

 良品計画とMUJI HOUSEは2023年5月、農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結するなど、建築物の木造化を推進している。今回の2店舗でも合計723平方メートルの木材を活用し、外壁には地域材(佐賀県佐賀市、神崎市、大分県日田市)を利用した。両社は今後5年間、新たに建設予定の店舗(計1万平方メートルを目安)で国産材の積極的な活用による大規模店舗の木造化とZEB化を進めていく方針だ。

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