ICT施工のメリットとしては、下記が挙げられます。
ICT施工では、ドローンやICT建設機械といったIT技術を活用します。そのため作業人員や日数を短縮でき、スピーディーな工事が可能となります。
また、建機の乗降といった手間が省けることで安全性が高まり、無駄な工程をカットして環境負荷を低減できるでしょう。施工データが記録できることで、履歴の確認や技術評価が「見える化」しやすくなります。
一方で、ICT施工にはデメリットもあります。
ICT施工では「ICT建設機械」や「ドローン」といった測量機器やソフトウェアを用意する必要があります。また適宜メンテナンスを行うため、維持管理費用も余計に掛かるのがデメリットです。従来の施工に慣れていた技術者の方が、新たに作業技能を習得する手間もあるでしょう。
さらに通信技術を用いるため、天候不良や機器の不調時には施工自体が行えないケースも出てきます。場合によっては、サイバー攻撃を受ける可能性も考慮しなければなりません。
ICT施工では建機が、。に接続するため、最悪の場合「ハッカーに乗っ取られる」可能性があります。
既に乗用車は「コネクテッドカー(ICT端末としての機能を持つ車)」の時代に突入しており、一般車両にも搭載されるようになっています。「車載端末でYouTubeの動画が見られる」「スマホと車が同期してアプリがそのまま使える」など、便利な機能が使えて人気です。また「自動運転」にはクラウド通信が必須のため、将来的にはほぼ全ての車で搭載されると考えられます。
便利な反面、「ハッキングのリスク」もあります。実際に「セルラーネットワーク経由でハンドル操作ができた」「外部からの盗難防止アラームの無効化」といった事例が報告されており、同様の事象がICT施工でも起こる可能性があるでしょう。
自動車のサイバーセキュリティ対策としては2022年7月以降、国際規格である「UN-R155」による規制が段階的にスタートしています。これは自動車に対して「サイバーセキュリティ対策」を義務付けるもので、不正な操作による事故などの防止が徹底されているのが特徴です。
重機が制御不能になってしまった場合、重大な事故につながりかねません。ICT施工に関しても、さまざまなリスクに対応していく必要があります。
ICT施工には、初期費用やネットワーク通信の安全性などのマイナス面はあります。ただ、ITを用いることで「省人化や業務効率化ができる」などのメリットが大きく、国土交通省も普及を推進しています。今後のさらなる活用に向け、対応の強化が急がれるでしょう。
BuildApp News編集部(野原グループ)
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