BSIが規格の策定と認証サービスを担うBIMの国際規格ISO 19650は、BIM活用のベストプラクティスをまとめたものともいえる。自分たちの判断だけではなく、第三者の認証機関に認証された規格の取得は、お墨付きが与えられたことの証明でもあり、顧客や建設市場などの対外的な信頼度が高まる。
ISO 19650は、-1〜5までのパートがあり、アセットマネジメントの-3は2024年5月ごろをめどに日本でもリリース。安全と健康に関してはPASS 1192-6が補っているが、ISO 19650-6としてISO規格化される予定だ。
ISO 19650の認証サービスは、2015年からスタートし、2024年2月末時点で730社が取得。国内は2021年の大和ハウス工業を皮切りに計16社となり、現在も多くの問い合わせが寄せられ、今後も増えていく見通し。
BIMの海外トレンドでは、BIMを軸とするデジタル基盤を構築し、建築物やインフラのライフサイクルでCO2管理のカーボンマネジメントを行い、カーボンニュートラルやネットゼロを実現し、サステナブルかつウェルビーイングの街づくりにつなげる取り組みが始まっている。BSIでも、それぞれに対応するISOやPASの認証でサポートしている。
具体的な工程としては、まずISO 14064に準じた温室効果ガス(GHG)排出量の算定があり、PAS 2080のGHG排出量削減などのカーボンマネジメントを経て、ISO 14068-1(気候変動マネジメント)やISO 50001(エネルギーマネジメントシステム)によるカーボンオフセット/カーボンニュートラルの達成へと段階を踏み、ISO 37106のサステナブルでウェルビーイングも実現したスマートシティーへと至る。ISO 14068-1は、2023年11月にPAS 20260からISO化された規格で、既に国内でもサントリーの天然水製造工場、ヤマト運輸のEVや太陽光発電の施策で取得しており、ここ数年でニーズが高まっている。
この後、パネルディスカッションでは、事例企業として、日本で最初にスマートシティーの国際規格「ISO 37106」を取得したNTTグループをはじめ、ISO 19650とカーボンマネジメントに関するPASS 2080の認証も受けたスターツCAMと山口重工業が、現状で抱える課題や今後の展望などを話し合った。
<Vol.2に続く ※近日公開>
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