建設現場向けロボットソリューションを提供する建ロボテックは、内装工事の天井施工を対象に、省力化を実現する楊重装置を開発した。
建ロボテックは、内装工事の天井施工作業時の負担を減らす「天井ボード楊重装置」を開発し、2024年夏ごろの市場販売を目指している。
一般住宅やマンション、アパートの天井施工では、天井の下地となる石こうボードなどを貼るが、従来の天井ボードの貼り付けは、人が脚立を使って20キロ以上の重さがあるボードを手や体で押さえつけながら固定しなければならなかった。しかし、脚立上で不安定な姿勢で重い天井ボードを支えながらの作業になるため、職人への身体的な負担が大きく危険も伴った。
そこで、建ロボテックは、天井ボードの取付作業を1人で安全に行うことを可能にし、作業の省力化と負担を減らす、天井ボード楊重装置を開発した。
これまでの従来機器は、空気の力で重い物を差し上げる機構が多く、コンプレッサーを使用するため、狭い現場内での電源配線の取り回しやビス打ち用コンプレッサーを別に用意する必要があるなどの問題があった。そこで今回は、バッテリー式手持ちインパクトドライバーを動力に利用する方法を生み出した。楊重に不足するトルクは、独自の機構を開発し、解決した。
今後は、狭い作業領域で活用可能なコンパクトさと安全性を両立できるように開発を進め、2024年夏の市販化を目指す。
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