実証実験では、オープニングと選手入場の2カ所で、ユーザー参加型の演出を行った。
オープニングは「青く染めろ」をテーマとした観客の応援がベースのコンテンツで、タップ数が一定を超えると照明の色が変化する。
1階フロアのムービングライトを光の柱に見立て、応援エリアごとのタップ数に応じて、白い光が1本ずつ青に変わる。MCの呼びかけなども行って観客にボタンのタップを促し、全ての光の柱の色が変わると、会場全体が青い光で包まれ、オープニングムービーと照明の演出が始まった。観客の行動に応じてオープニングの演出がスタートし、会場が一体となる臨場感や観戦者も参加する双方向感をねらった仕掛けとなっている。
選手入場では、事前に登録した「推し選手」の入場時にボタンをタップすることで、照明演出がバージョンアップし、光の数や色、動きが増える。選手やコートの照明は共通で、客席側を照らす明かりを追加することで来場客のボルテージを選手に伝える。
管理画面では、アプリで収集した参加者の属性情報が確認できる。データをチームにフィードバックすることで、今後の運営に活用してもらう。また、応援ボタンがどの程度タップされているかなど、盛り上がりの状況をリアルタイムでモニターするオペレーション支援機能も搭載。演出に関するタップ数も設定可能だ。
久光スプリングス GM補佐 小早川武徳氏はYOI-enを採用した理由について「ホームゲームでは一体感をテーマにしており、熱狂を生むという観点から、観客の情熱や心の動きを可視化する方法を探してきた。YOI-enにより観客参加型の演出を導入することで、熱気が高まるところを見えるようにしたい」と語った。
今回は、既設の演出照明にYOI-en対応のコントローラーを持ち込むことで参加型演出を実現した。パナソニック エレクトリックワークス社は今後、既設の設備を活用しながら演出を実現するサービスの具体化を検討する。また、場内外連動演出により、会場内の盛り上がりを可視化して場外にも広げて行くことで、当日チケットの販売に貢献することなども構想しているという。
さらに、常設設備としてのユーザー参加型システムの納入、演出アプリの機能強化による参加者とチームとのつながりの強化などについても支援したい考えだ。
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