アエラホーム、注文住宅の制震性能を強化 地震でも気密性/断熱性を維持制震(1/2 ページ)

アエラホームは、注文住宅の制震性能強化に乗り出す。建物に伝わる地震の衝撃を吸収し、耐震性を維持できる制震装置の導入などにより、地震が起きても住宅の気密性や断熱性を損なわず、長く住み続けられる家づくりを進める。

» 2024年02月21日 15時00分 公開
[黒岩裕子BUILT]

 アエラホームは、注文住宅の制震性能強化に乗り出す。取り組みの一環として、2024年1月には、建物に伝わる地震の衝撃を吸収し、耐震性を維持できる制震装置「MER-System Cross Type」(エムイーアールシステム クロスタイプ)を高気密/高断熱の注文住宅「プレスト」に標準装備するキャンペーンを展開。地震が起きても住宅の気密性や断熱性を損なわず、長く住み続けられる家づくりを進める。

MER-System Cross Typeは加工や組み立ての必要がなく、1人で取り付けが完了する MER-System Cross Typeは加工や組み立ての必要がなく、1人で取り付けが完了する 筆者撮影

 MER System Cross Typeは日本制震システムと、油圧機器を開発/製造するヤマハモーターハイドロリックシステムが共同開発した制震装置(オイルダンパー)で、地震発生時に建物に伝わる衝撃の48%を吸収するという。ジョイント部分には多方向からの揺れに対応する「クロスピン構造」を採用した。建物倒壊につながりやすい短い周期の揺れ(キラーパルス)にも有効で、建物の揺れを増幅させる「共振現象」も防止し、強風や交通振動にも対応する。

クロスピン構造を採用し、多方向からの揺れに対応する クロスピン構造を採用し、多方向からの揺れに対応する 提供:アエラホーム

 制震装置は、オイル室とガス室が分離したシングルチューブで、封入オイルは外気に触れない構造とした。オイルは不燃性で、火災でも爆発や延焼を起こす心配がない。温度差による性能変化が小さく、寒暖差の大きい気候でも効果を損なわずに利用できる。

 設置本数は住宅1棟当たり10〜12本程度で、柱と梁(はり)に取り付けるだけで施工が完了する。加工や組み立ての必要がなく、1人で取り付けができるなど施工性も高く、短時間で設置できるのも特徴だ。製品以外のコストは不要で、壁面に設置するため間取りの制約もない。

柱と梁に取り付けるだけで施工が完了 柱と梁に取り付けるだけで施工が完了 筆者撮影

 アエラホームは2024年1月4日〜31日の期間限定で、プレストを新契約した顧客に対し、MER-System Cross Typeを追加費用なしで標準装備するキャンペーンを展開した。1月19日の時点で、通常の約2倍の問い合わせがあったという。

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