業務内容と稼働時間に関しては、日常業務のうち、3時間以上「現場での作業/監督業務」を行っている人が約30%、3時間以上「報告書/図面/見積もりなどの書類作成」を行っている人は約25%だった(図5)。
業務効率化したい業務は、「報告書/図面/見積もりなどの書類作成」がトップ。効率化が期待される「報告書/図面/見積もりなどの書類作成」は、業務効率化で「現場での作業/監督業務」などのコア業務に集中できるようになるため、さらなる品質向上や安全性の確保が可能になる。
経営層のDXに対する考えは、時間外労働の上限規制に対応するうえで、DX(業務効率化のためのITツールやシステムの導入)の重要性について、経営層の49.2%が重要と考えている(図7)。特にゼネコン、外構/エクステリア/造園、ガス/電気の領域で顕著に現れた。
制度対応に向け、導入した方が良い取り組みは、「DX」「テレワーク導入」「残業に関するヒアリング」は、経営層と一般般社員/管理層のスコア差が大きく、現場からの要望が高いと分かる。
導入した方が良いITツール/システムは、経営層と一般社員/管理層ともに「施工管理」のスコアが高いが、一般社員/管理層の方がスコアが高く、経営層よりも現場からの要望が高い。
残業抑制が進まない理由は、工期優先など建設業界ならではの理由が上がっているが、「IT化が遅れアナログな手法が当たり前になっている」、一般社員/管理層は「取り組みを推進する役割の人材がいない」を問題視する声が多かった。
集計期間:2023年10月
調査対象:20〜69歳の建設業従事者
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1442人
調査主体:アンドパッド
時間外労働の上限規制は、2018年に働き方改革関連法による労働基準法改正法が公布され、多くの業界では既に導入されたルールだったが、建設業界には2024年4月1日までの猶予期間が設けられていた。
業界団体や各メディア報道などにより、業界内の認知は高まってきているが、取り組み状況としては待ったなしの状態にある。まだ取り組んでいない企業では、45時間/月以上の残業をしている傾向にあり、規制時間よりも残業時間が超過している場合は、適応に向けた取り組みの開始や浸透を急ぎ図らなければならない。
アンドパッドは、2024年問題について、「業界団体や各メディア報道などにより、業界内の認知は高まってきているが、取り組み状況としては待ったなしの状態にある。まだ取り組んでいない企業では、45時間/月以上の残業をしている傾向にあり、規制時間よりも残業時間が超過している場合は、適応に向けた取り組みの開始や浸透を急ぎ図らなければならない」と提言。
今回の調査結果を受け、「現場に携わる人々からは、日頃業務量が多い、報告書、図面、見積もりなどの書類作成のペーパーワークへの業務効率化が強く求められており、そのためにDXツールの活用が求められている。社内で推進者を立て取り組んでいくことが、成果を出すための近道と言えそうだ」と総括する。
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