計画地の生田キャンパスには、広大な敷地に多くの既存建物が建つ。そこで茂住氏は、キャンパス内の地形と建物の概略をつかむためのモデルを作成した。新校舎と接続する建物や今後改修する建物に関しては、後に相対的なフロアレベルなどをT.P.レベル(東京湾平均海面:全国の土地の標高基準となる海水面の高さ)で測れるように、既存図をもとに正確に数値を入力してモデリングした。
今回のプロジェクトでは、既存図書館の一部を解体し、減築後に改修して使い続ける計画を立てたが、計画初期からArchicadの「リノベーションフィルター機能」を使い、壊す部分と使い続ける部分を同一データ内で確認しながら検討できたことが、その計画提案につながった。
新校舎のボリュームスタディーでは、必要条件を詰め込んだ案を作り、そこから建物の配置を変えたり、高さ制限や面積のバランスをリアルタイムで確認したりしながら、スピーディーに複数案を立案した。「検討途中で庇と手すりのパターンで外装をデザインする方向で固まったため、Archicad内の“手すりツール”のレールに断面形状(一部)を複数登録し、バリエーションを大量に検討した」(茂住氏)。
最後にArchicadで作成したBIMモデルをAutodeskの3DCGソフトウェア「3ds Max(スリーディーエス マックス)」で、社内のイラストチームと共有。ArchicadのBIMモデルと、3Dレンダリングソフト「Lumion(ルミオン)」を使いながらコミュニケーションを図り、プロポーザル用資料を作成した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.