大林組は、大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」(発注者:リシュモン ジャパン カルティエ)建設工事で、低炭素型の鉄骨やコンクリートの活用、過去の万博で使用されたファサードのリユース、基礎鉄骨へのリース材採用などにより、通常の建設資材を使用した場合と比較して、CO2排出量を約50%削減する。
大林組は2023年12月18日、大阪・関西万博の「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」(発注者:リシュモン ジャパン カルティエ)建設工事において、建設資材製造時のCO2排出量を半減させると発表した。
低炭素型の鉄骨やコンクリートの使用、過去の万博で使用されたファサードのリユース、基礎鉄骨にリース材を採用するなどの対策により、通常の建設資材を使用した場合と比べて、469t-CO2(トンCO2)を削減する。
ウーマンズ パビリオンでは、カルティエや内閣府、経済産業省などが、国内外での女性活躍の取り組みを紹介する。2000.16平方メートルの敷地に、延べ面積1708.38平方メートルのパビリオン(鉄骨造)を建設予定だ。設計/監理は永山祐子建築設計とオーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド、施工は大林組が手掛ける。本体工事は2023年10月23日に着手し、2025年1月31日に完成予定。
大林組は建物の基本設計段階から関わり、CO2排出量の把握と削減に取り組んできた。ウーマンズ パビリオンの建設に当たっては、主要鉄骨部材の約75%を高炉鉄骨から電炉鉄骨へ置き換えて約200t-CO2を削減する他、建物基礎のコンクリートに自社開発の低炭素型コンクリートを採用し、一般のコンクリート使用時に比べ約44t-CO2削減(約60%)削減した。
また、ドバイ万博日本館のファサード材をリユース(新規で製造した場合約45t-CO2)して利用するとともに、基礎鉄骨梁について、工事現場で活用する仮設山留材をリース採用(新規で製造した場合約180t-CO2)し、製造時のCO2排出をゼロにした。
ファサードは、球状部材(ノード)2053ピース、棒状部材(チューブ)195種類を組み合せて立体的な骨組み形状を構築する。そのため、数千もの部材を解体、管理し、新たに組み立てる施工管理が課題となる。
そこで、工種別の進捗を可視化し、出来高を管理する大林組のプロジェクト管理システム「プロミエ」を活用した。
プロジェクト管理では、ノードとチューブに刻印された「固有識別番号」に着目し、BIMの属性情報に入力した搬入予定日などの施工上の部材データをプロミエで一元化管理している。部材にはQRコードを貼り付け、簡単に識別できるようにすることで、部材の仕分けや施工位置の把握が効率化され、搬入から組み立てまでの工程で約25%省力化が見込める。
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