DNPは、大阪・関西万博の「いのちの遊び場 クラゲ館」の企画・制作を担当すると発表した。その一環で、テーマ事業プロデューサーの中島さち子氏と美術家の長坂真護氏とのコラボレーションによる「ミドルクラゲ“海月(うみつき)”プロジェクト」が始動する。
大日本印刷(以下、DNP)は2023年12月6日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で中島さち子氏がプロデューサーを務めるテーマ事業「いのちを高める」のゴールドパートナーとして、シグネチャパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」とバーチャルパビリオンの企画制作を手掛けると発表した。
プロジェクト第一弾で、2023年12月に「ミドルクラゲ”海月”」のパーツを作るワークショップをアフリカ西部のガーナ共和国で開催する。
いのちの遊び場 クラゲ館のコンセプトとなる「クラゲ」は、一人一人の中にある創造性やいのちの象徴と位置付け、“揺らぎのある遊び”を表現する。万博パビリオンでは、大きなクラゲをモチーフとした大屋根の下に、中規模の「ミドルクラゲ」を吊(つ)り下げて展示する。
プロデューサーの中島さち子氏は、音楽家、数楽研究者、STEAM教育者と多彩な顔を持ち、大阪・関西万博のテーマ事業「いのちを高める」では、「創造性の民主化」を掲げ、“国境や人種、年齢、立場などの分断をこえて、いのちを高め合い、未来の希望を共創する”を標ぼうしている。こうしたビジョンにDNPは賛同し、ゴールドパートナーとして、いのちの遊び場 クラゲ館のリアルとバーチャルの展示と体験の企画・制作を行う。その一環で今回、展示物「ミドルクラゲ“海月(うみつき)”」の制作協力にも関わることとなった。
今回、ミドルクラゲの1つとして、MAGO CREATION 代表取締役で、経済、文化、環境の3つの軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を提唱する美術家の長坂真護(まご)氏とコラボレーション。クラゲの別名を「海月」モチーフに、展示物を制作する。長坂氏が考える環境や経済、平和への願いと、中島氏の「創造性の民主化」への想いの共鳴により、廃棄されたPETボトルを集めて大きなミドルクラゲ”海月”を創る世界中の人々とのプロジェクトが始動する。
万博に先立ち2023年12月には、ミドルクラゲ”海月”のパーツを作るワークショップをガーナ共和国で開催。ガーナ共和国では、長坂氏が約1万名の雇用創出を目指し、スラム街の人々の人権と環境の課題を改善するため、廃棄物を材料に作品を制作。2019年には、スラム街のアグボグプロシーで、PETボトルを切り合わせ、ドーム型に編み上げ、球体の中心にライトを設置したアート作品「月の塔」を街の人々とともに制作している。
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