総合レンタル企業の西尾レントオールは、「第5回 建設・測量生産性向上展」で、建設施工分野の“GX”に寄与する電動ミニバックホウと、生産性向上につながる自社開発サービスも含めたロボットや建設ICTを多数紹介した。
総合レンタル企業の西尾レントオールは、「第5回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO 2023)」(会期:2023年5月24〜26日、幕張メッセ)で、「カーボンニュートラル」と「生産性向上」の2つのテーマを設けて商品を展示した。
カーボンニュートラル関連商品として展示されたのは、長野県に本社を置く1963年創業の小型建設機械のメーカー竹内製作所が2021年7月に販売した1.9トンの電動ミニバックホウ「TB20e」。油圧機構も含めて電気で駆動するため排ガスを排出せず、CO2削減に貢献する建機だ。
西尾レントオール 広域営業部 部長 平清二郎氏は、TB20eに注力する狙いを「カーボンニュートラルという目標が掲げられ、建機の電動化は世界的なトレンド。当社も電動建機の導入を進め、この課題に取り組んでいく」と説明。そのうえで、「現在、TB20eを30台保有しており、その規模で展開しているレンタル企業はおそらく当社だけ」と、自社の取り組みの先見性をアピールした。
国土交通省は2023年2月、建設施工分野の「GX(グリーントランスフォーメーション)」を推進するために、電動/水素/バイオなどを新たな動力源とする革新的建設機械の認定制度を2023年度に創設し、市場への普及を促すと発表した。西尾レントオールのTB20e保有は、そうした潮流にも沿った動きだ。
平氏は、30台の保有台数について、冷静に評価する。「当社が保有するバックホウは約2万台。電動のバックホウを30台保有するだけでは、カーボンニュートラルへの取り組みとしては不十分だ。そこで、建機のディーゼルエンジンに使用する燃料を、軽油からバイオディーゼル燃料に変える取り組みを進めている」と補足する。
展示会閉幕後の2023年7月13日には、大手ゼネコンの大林組が西尾レントオール、燃料油配送業者の松林と協働して、2025年に開催が予定されている大阪・関西万博の建設工事で使用する建機の燃料に、バイオディーゼル燃料を活用する実証実験を行うと発表した。大林組の施設や一般家庭などから回収した廃食用油をもとに精製した100%バイオディーゼル燃料で、西尾レントオールからレンタルする建機を動かす計画だ。
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