内山氏は、ユースケースとして「街づくり」や「防災/防犯」、ゲームなど、多様な分野でPLATEAUのデータが活用されていると示した。
複数の情報を含むPLATEAUのデータだが、内山氏はデータが比較的短期間で構築できることも紹介した。
PLATEAUのデータは、国際的な標準規格「CityGML 2.0」を採用している。CityGML 2.0は諸外国で使われているが、日本は後発となる。日本が3D都市データ化で後進国でありながらも、急速に精緻な都市の3Dデータ化を進められているのには理由がある。端的にいうと、PLATEAUのデータが“ありもの”で作られていることが大きな理由だ。
日本の自治体は自前で地図を作製し、管理している。都市計画法第14条の規定による都市計画の図書としての総括図や計画図の基礎となる都市計画基本図や各種調査資料のデジタル地図といったものが相当するが、作製には必ず航空測量を行う。PLATEAUでは、このデータを用いている。都市の3Dデータで新規の測量などは行わなず、航空測量の地図データに、都市計画基礎調査などの情報を統合して構築している。
内山氏は、データ作製法には2つの意味があるという。1つは、多くの費用を使って作製されながら、これまであまり知られていなかった都市計画基礎調査などの情報がオープンになること。もう1つが、既存のデータを活用するので迅速に都市の3Dデータが作れることだ。
PLATEAUで3D都市データ化するのに必要な情報は、日本全国ほとんどの自治体に存在する。内山氏は「作ろうと思ったら、翌日からすぐに、1〜2カ月で完了する」と補足する。
PLATEAUでは、ソフトウェアを開発するための環境も用意している。講演では、ゲームエンジンにPLATEAUのデータを簡単にインポートするためのSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)も紹介した。
PLATEAUのデータは基本的にはGISなので、そのままでは扱いにくい。何かをするためには変換を伴うが、SDKを利用すればUnityやUnreal Engineでの活用がしやすくなる。SDKは、機能を強化改善したVer2.0も予定されているという。
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