調査リポート
» 2023年09月21日 10時00分 公開

2024年問題で“積算事務所”勤務の約7割が収入減、解決の糸口は?CORDERが独自分析【寄稿】2024年問題(1/2 ページ)

CORDERは2023年7月、建設業の見積業務「積算」に従事する方を対象に、2024年に建設業にも適用される働き方改革関連法に伴う、積算従事者の残業制限の実施状況とその影響を独自に調査した。今回の寄稿では、400人から得た回答をもとに、積算事務所の抱える問題点と、その解決策を分析している。

残業制限で積算事務所勤務の66.7%が収入減に

 建設業のバリューチェーンにおける川上の業務となる「積算」。働き方改革や労働基準法の改正による残業規制に伴い、「積算」に従事している方の収入にはどのような影響を与えるのでしょうか。

 まず、残業・休日出勤の制限が実施されている積算従事者を対象に、「残業や休日出勤制限で制限前と比較して収入に増減はあるか?」を聞きました。「収入が減少している」と回答した方の割合は、全体平均では30.1%で、勤務先種別では積算事務所が66.7%でした。その他の勤務先種別では、総合建設会社(ゼネコン)が23.3%、地方建設会社(地方ゼネコン)が20.0%、設計事務所が16.7%、専門工事会社が40.0%、ハウスメーカー・工務店が46.7%となりました(n=113)。

 特に積算を専門に行う「積算事務所」勤務の方の割合が際立って高く、残業制限による時間外手当や残業手当の減少が、収入減に直結していることが明らかになりました。

出典:CORDER「積算従事者の残業制限の実施状況とその影響に関する調査」

同じ積算業務でも積算事務所勤務は、年収が31.0%低い

 積算事務所勤務の方が収入減少に直面していることが判明しましたが、次に勤務先種別ごとに積算従事者の年収で、どの程度の差があるのかを見ていきます。

 世帯年収の調査では、積算従事者全体の平均が724.6万円だったのに対し、積算事務所勤務は500万円で、全体平均から31.0%も低くなっています。その他の勤務先種別では、総合建設会社(ゼネコン)が728.7万円、地方建設会社(地方ゼネコン)が771.1万円、設計事務所が712.4万円、専門工事会社が654.2万円、ハウスメーカー・工務店が697.4万円でした(n=400)。

 同じ積算業務に従事する方でも、勤務先種別や業態の違いで年収にも大きな差が開いてしまっています。積算事務所は、残業規制も相まって、積算業界の中でも約3割も年収が低い状況が明らかになりました。

出典:CORDER「積算従事者の残業制限の実施状況とその影響に関する調査」
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.