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» 2020年08月13日 08時11分 公開

メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020:コンクリ構造物の強度を探査するアンテナと、コンクリ内部温度を測定するセンサー「SmartRock2」 (1/2)

KEYTECは、コンクリート構造物を対象にした非破壊検査の機器を展開している。なかでも、ワイヤレスコンクリート温度センサー「SmartRock2」は、鉄筋に直接取り付けて、コンクリートの内部にセンサーと本体を埋込み、ワイヤレスでスマートフォンの無償アプリから測定データを確認する仕組み。コンクリート養生管理のコスト削減や工期短縮が見込める。

[松永弥生,BUILT]

 KEYTECは、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「インフラ検査・維持管理展2020」で、コンクリート内部探査機器やセンサーを展示した。

コンクリ内部を非破壊で調査する特殊アンテナ

 近年、日本では高速道路やトンネル、橋梁など社会インフラの老朽化が進み、コンクリート構造物の耐久性や強度が問題となっている。KEYTECは、そうしたコンクリート内部探査に関する装置やセンサーを開発・販売している。

 デジタルアンテナ「200HS アンテナ」は、コンクリート内部の鉄や電線の位置、ひび割れ、ジャンカ(豆板)、空洞などを発見するための装置だ。主に、ガス関連会社や電気通信会社など社会インフラ企業で採用されている。

オプションの4輪ホイールを取り付けた超高深度の地中探査機「200HS アンテナ」。米ボストンで実験した際は、30メートル下の埋設管が見えたという

 探査方法は、電磁波をパルスにして、同時に地面に輻射し、埋設管などに当たって返ってくる時間を距離に換算して調べる。小型レーダーと大型レーダーも原理は同じで、周波数が高くなるほどに分解能が向上するそうだ。

 埋設管だけでなく、地中の岩盤や水分量が多い軟弱層の位置も把握することができ、データはモニター上に3Dで表示される。これに鉄筋腐食探知噐「iCOR」で取得したコンクリート内部にある鉄筋の状態をデータ合成することも可能だ。

鉄筋腐食の探知噐「iCOR」(写真左)とワイヤレスコンクリート温度センサー「SmartRock2」(写真右)

 内部の鉄筋がサビるとコンクリートが膨張してひび割れが発生する。そうなると表面から水が入って酸化が進み、構造物の強度が弱くなり、崩壊の危険性が高まる。こうした危険性を「200HS アンテナ」と「iCOR」の組み合わせで早期発見し、未然に防げるという。

 一方、Giatec製のワイヤレスコンクリート温度センサー「SmartRock2」は、施工時にコンクリート内部に直接本体とセンサーを埋め込み、コンクリート温度と湿度を計測する機器。コンクリートが固まる時に内部温度を監視し、積算温度からコンクリート圧縮強度を算出する非破壊強度推定方法の一つ「マチュリティー法」を採用している。温度と湿度の測定データは、AndroidとiOSのスマートフォン及びタブレットの無料アプリで確認することができる。

 これにより、従来のコンクリートコア供試体の圧縮強度試験に頼らずとも、コンクリートの強度を判断できるため、工期短縮と安全・品質維持が実現する。

 米国では既に33州で、マチュリティー法によるコンクリート強度管理が認められているそうだ。日本でも、NETIS(新技術情報提供システム)に登録されている。

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