データセンター戦略室によって、これまでは各エリアの支店が独自に判断していた案件を俯瞰できるようになり、複数の支店をまたいだ形でプロジェクト調整も可能になる。
データセンターソリューション戦略室 室長 兼 執行役員の吉田勝彦氏は、データセンター戦略室で「戦略の見直しを進め、需要が多様化する中で顧客に寄り添ったソリューションを提供できる形に持っていきたい」と展望を口にする。まずは、ソリューションの設計標準化で業務効率化を追求し、設計・施工・保守運用の一連の流れをスタンダードな形として提供することを目指す。
データセンターには、デジタルインフラとして簡単にダウンしないことが求められる。いわゆる「冗長化」や「高信頼性」「堅牢性」といった単語は、機能ダウンを回避するための方策で語られる定番ワードだ。ジョンソンコントロールズは、こうした顧客が望むシステムを予算内で最大限に構築する。
ジョンソンコントロールズ 営業開発統括部で営業1部長を務める須田征人氏は、データセンターについて「現在では公共のインフラの1つとなっているので、1カ所がダウンするだけでも与える影響が大きいため、緊張感を持ってデータセンターを構築しなければならない」と語る。
簡単にはダウンせずに稼働を続けるデータセンターを安定的に運用するには、内部に格納するサーバ類はもちろん、ビル全体の状態を常時監視する必要がある。そのためにジョンソンコントロールズが提供しているのが、全世界で導入実績があるBAS(ビル・オートメーション・システム)の「Metasys(メタシス)」だ。
Metasysは、高度な空調管理に加え、近年の省エネ対策への関心の高まりのなかで、WebベースのBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の機能も兼ね備えている。空調、セキュリティ、防災といったあらゆるビルテクノロジーを集約したビルシステムとして、一般的なオフィスや病院の他、データセンターにも対応している。Metasysはバージョン10でサイバーセキュリティ対策を実装し、2022年11月に登場した最新版のバージョン11ではデータの冗長化にも応じるなど、データセンターの運用面でも役立つ機能で進化を続けている。
また、Metasysは、オープンなシステムであり、安全で信頼性の高い通信を行うための国際標準通信規格「OPC UA(OPC Unified Architecture)」など様々なプロトコルに準拠している。OPC UAは、多彩な機器に対して柔軟性が高い接続性を持ち、セキュリティも強固という特徴がある。
OPC UAに準拠するメタシスであれば、異なるプラットフォーム上で動く設備や機器にも簡単に接続できる。もちろん、ビルネットワーク用通信プロトコルの「BACnet」やPLC(Programmable Logic Controller)用プロトコルの「Modbus」とも接続可能だ。
データセンターでは顧客のニーズに即して、さまざまなタイプの機器が使われる。その際、Metasysなら多様なプロトコル要求にも柔軟に対応し、顧客に求められるサービスを提供できる。
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