山形県朝日町「空気神社」とのコラボで、美しい空気を次世代に引き続くパナソニック 空質空調社空気質(2/3 ページ)

» 2023年04月21日 15時27分 公開
[加藤泰朗BUILT]

脱炭素や省エネ対応、空気質のニーズにパナソニックの総合技術で対応

 2つ目は、空気神社の美しい空気を東京に再現すること。空質7要素(温度・湿度・清浄度・気流・除菌・脱臭・香り)を最適に制御する技術で、空気神社の環境を再現した特設ブースを、パナソニック東京汐留ビル内に期間限定(2023年2月27日〜3月25日)で開設した。小笠原氏は、東京に特設ブースを設置する狙いについて、パナソニックの総合技術を組み合わせることで、脱炭素や省エネ対応などの社会的課題やコロナ禍を背景とした空気質への関心の高まりといったニーズに応えるソリューションの新たなかたちの提示と説明した。

空気神社の特設ブース。天井には業務用空質空調連携システムが搭載されている 空気神社の特設ブース。天井には業務用空質空調連携システムが搭載されている 提供:パナソニック 空質空調社、朝日町
空気神社の美しい空気を再現するのに使用したパナソニックの主な技術 空気神社の美しい空気を再現するのに使用したパナソニックの主な技術 提供:パナソニック 空質空調社、朝日町

 3つ目の取り組みは、未来に向けた情報発信。小学生(アルファ世代)を対象に、朝日町とパナソニックの取り組み紹介などを通じて、空気の大切を考える「キッズ エアラボ」を、小学校で開催する計画だと、小笠原氏は説明した。ラボはワークショップ形式で、まずは年25回程度実施し、その後、順次拡大していく予定だ。

「キッズ エアラボ」の展開 「キッズ エアラボ」の展開 提供:パナソニック 空質空調社、朝日町

 こうしたワークショップ以外にも、TwitterやFacebookなどのSNSを活用して、コラボレーションの取り組みを中心に情報発信を強化していくという。

体感を通じて事業拡大を目指す

 パナソニック 空質空調社の事業戦略は、「環境テクノロジー革新」「オペレーション改革」「継続顧客接点強化」を通じて顧客への提供価値を最大化する。小笠原氏は、今回の空気神社の特設ブース開設は、そのうちの継続顧客接点強化と合致するものだとする。

パナソニック 空質空調社の3つの事業戦略 パナソニック 空質空調社の3つの事業戦略 提供:パナソニック 空質空調社

 継続顧客接点強化に関しては、パナソニック 空質空調社は2017年6月、愛知県春日井市に室内空気質を体験できる実験住宅「IAQ(Indoor Air Quality)Labo」を開設した。住宅の設計・施工者向けに、温度・湿度・清浄度・気流の違いを体験できる「比較体感コーナー」や生活シーンを想定した「実空間コーナー」を設けて、同社の空気質への取り組みを公開し、着実に効果を上げているという。「パナソニックの熱交換気扇(ダクト式)の販売台数は、IAQ Labo開設後右肩上がりで増加し、2021年度には市場占有率が80%以上に到達した」と小笠原氏は語気を強めた。

熱交換気扇(ダクト式)の販売台数の推移 熱交換気扇(ダクト式)の販売台数の推移 提供:パナソニック 空質空調社

 また、小笠原氏は、こうした状況を踏まえ、「体感してその良さを知ってもらうことが、商品の採用につながる。これまでの単機能や単商品の展開に加え、複数のソリューションを組み合わせて創り出す空気の質を体験する場を増やし、顧客の理解促進を図りながら事業拡大を続け、2030年度にはソリューション売上高が全体の50%以上になることを目指す」との目標を示した。

 直近では、2023年4月15日〜5月14日に開催される京都国際写真祭(KYOTOGRAPHI)への協賛などを通じた体感の場を提供する。2024年度以降は、空気空調社独自の常設展示場開設を検討しているという。

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