パスコとクアドラプランニングは、両社が培ってきた専門技術である詳細な3次元海底地形データと沖縄で開発されたGPS端末を活用した実証実験に着手した。実施場所は、サンゴ礁があり、マリンレジャーが盛んな沖縄県座間味島沿岸部で、さまざまな状況を想定して行った。
パスコとクアドラプランニングは2023年2月21日、両社が培ってきた専門技術である詳細な3次元海底地形データと沖縄で開発されたGPS端末を活用した実証実験に着手したと発表した。
日本の海岸線は約3万5000キロにおよび、海難事故も多く発生している。海上保安庁の調査によると、2022年の船舶事故は1825隻で、うち約58%がプレジャーボートだった。また、人身事故は1273人で、このうち約45%がマリンレジャー中の事故と発表されている。
海での救助活動は一刻も早く、安全かつ迅速に要救助者のもとに到着することが重要となる。しかし、通信機器が水面上にあると通信が不安定になることが多く、水没などで使用不能になる場合も想定される。さらに沿岸部では、船舶が要救助者に近づく際、座礁などの二次災害にも注意しなければならない。
こうした課題を解決するために、両社が培ってきた技術を活用し、サンゴ礁があり、マリンレジャーが盛んな沖縄県座間味島沿岸部で、さまざまな状況を想定した実証実験を行った。実験では、沿岸部で事故が発生したと仮定し、要救助者のもとに安全かつ迅速に到達し救助できるかを検証。暗礁やサンゴ礁を回避した安全なルート検索には、パスコが計測した詳細な3次元海底地形データを使用し、要救助者の位置と状態の把握には、クアドラプランニングが開発した小型のGPS端末を使用した。
実証実験の場所は沖縄県座間味島沿岸部で、2023年3月7日に実施した。なお、パスコは3次元海底地形データの計測や作成、提供、端末用アプリ搭載仕様の変換を、クアドラプランニングはGPS端末の開発や提供、端末用アプリへのデータ表示機能の開発を担当した。
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