パスコのIoTインフラ遠隔監視サービス「Infra Eye(インフラアイ)」は、簡便な装置を取り付けるだけで、道路橋の変位を24時間365日計測可能だ。いつでもどこでも遠隔から橋梁の変位を確認できるだけでなく、危険な数値を感知した際にはメールですぐに通知するなど、点検業務の人手不足などに悩む地方公共団体を強力にサポートする。
2022年7月20〜22日の会期で、生産設備から、社会インフラ、各種災害対策まで、「メンテナンス」「レジリエンス(リスク対応・危機管理能力)」に関する最新の製品・技術・サービスを集めた展示会「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022」が、東京ビッグサイト東展示場で開催された。
同時開催された12の専門展示会のうち、「インフラ検査・維持管理展」では、老朽化が課題となっている日本のインフラ維持管理の手法をアップデートするさまざまな技術や取り組みを紹介するブースが多数出展。IoTインフラ遠隔監視サービス「Infra Eye(インフラアイ)」を展示するパスコのブースもその1つだ。
パスコは、航空測量会社として1953年に創業し、あらゆる測るを空間情報に融合させ、人と自然が共生した未来社会の構築を目指す測量会社。ブースで紹介していたInfra Eyeは、展示会1週間前の2022年7月13日に開発を発表した橋梁(きょうりょう)の維持管理をサポートする新サービスだ。
2012年に発生した笹子トンネル崩落事故。事故後も道路や橋、水道管などの事故が全国で相次ぎ、インフラの老朽化は社会課題となっている。国土交通省によると、インフラ構造物のなかでも、全国に約73万橋ある道路橋は、約55%が2030年3月に建設後50年以上経過するため、維持管理体制の構築が急がれている。
道路橋の維持管理に関しては、道路法施行規則に、「近接目視により、5年に1回の頻度で行うことを基本とする」と規定されている。一方で、定期点検を実施する地方公共団体では、人的リソース不足、広範な管理区域内を巡回する移動手段や移動時間の負担が課題だった。こうした課題にリーチするのが、パスコの新サービスInfra Eyeだ。
Infra Eyeの具体的なサービス内容は、橋梁の桁端部にあらかじめ設けられている橋台と橋桁の間の隙間(遊間離隔)をまたぐかたちでセンサーを設置。遊間離隔の変位を24時間365日、センサーで計測して記録する。
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