旭化成不動産レジデンスは、マンション建て替え実態調査を行った。調査結果では、建て替え決議時点の平均築年数は45.6年で、築40年を過ぎた「旧耐震基準」のマンションは要チェックする必要があるとしている。
旭化成不動産レジデンスは、マンション建て替え実態調査の結果をまとめた。エリア別で建て替え件数が多かったのは、東京23区が32件で最多。次いで東京都と関西が5件、九州が4件と続く結果となった。
国土交通省の調査では、2021年末時点で築40年以上の物件は全国に約116万戸だったが、20年後には425万戸に増加する見込みとなっており、建て替えが必要なマンションは今後急速に増えていくと予想されている。
一方、建て替えはまだまだ進まず、マンション建て替えなどマンション老朽化への対策は課題となっている。政府は、老朽化したマンションの建て替えなどを円滑に進めるため、必要な手続きを定めた「区分所有法」、いわゆる「マンション法」の見直しを2022年12月に法制審議会に諮問し、要件緩和に向けた動きを見せている。
旭化成不動産レジデンスの調査結果によると、同社が手掛けた全47件の建て替えマンションは、建替え決議時点での平均築年数が45.6年。また早ければ築30年で建て替えを決定するマンションもあるため、1981年以前に建てられ、築40年を過ぎた「旧耐震基準」のマンションは建て替えを検討する必要があるとした。
マンション建て替えの理由では、「建物の老朽化」が最多となり、次いで「耐震性の不足・不安」「バリアフリーの欠如」の順。その他、「敷地や建物形状の制約により耐震補強工事が物理的に難しいこと」「共用部に使用されたアスベストへの不安」「空き家・賃貸化の進行による管理組合運営やコミュニティー維持への不安」「オートロックがないことによる防犯性への不安」なども挙がった。
エリア別では、東京23区が32件で最多。次点で東京都と関西が5件で、九州が4件。結果を受けて旭化成不動産レジデンスは、「“立地”が建て替えの大きなカギ」と分析。好立地な物件ほど不動産開発会社が参画しやすく、なかでも「余剰容積率」の大きいマンションは建て替えが進みやすいとしながらも、調布や福岡といった都心以外でも成功事例はあるという。
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