出来形測量に対応する精度2倍向上のレーザードローン「Terra Lidar X」を発売ドローン

テラドローンは、従来製品の10センチから5センチまでに絶対精度を向上し、出来形測量にも対応した高精度UAVレーザーを搭載したハイエンドドローン「Terra Lidar X」を発売した。

» 2023年01月20日 10時00分 公開
[BUILT]

 テラドローンは2023年1月11日、大手ゼネコンや建設コンサルを中心に150社以上に販売実績があるレーザードローン「Terra Lidar One」のハイエンドモデル「Terra Lidar X」を発売した。新機種はRIEGL製のスキャナーを搭載し、従来製品の絶対精度を10センチから5センチに向上した。

相場価格の約25%カットで低価格化を実現

「Terra Lidar X」 出典:テラドローンプレスリリース

 国内の建設業界の課題として、生産年齢人口が約45%に減少、平均就業年齢が45歳へ引き上がるなど今後益々高齢化や人手不足となる課題が深刻化していくことが見込まれる。国土交通省は現在、建設業界における生産性の向上を目的とする取り組み「i-Construction」で、3次元データを活用し建設現場を効率化することを推進。テラドローンでもドローンや3次元測量を導入することで、建設現場の効率化と安全性の向上を目指している。

 測量業界でUAVレーザーは主流となっているが、絶対精度10センチ以内の公共測量に応じた製品が多く、出来形測量も対応可能な絶対精度5センチ以内の高精度UAVレーザーは、高単価かつ重いなどの理由で実用化が難しいとされていた。

 しかし、テラドローンは顧客や市場のニーズを調査するなかで、高精度なレーザードローンや解析まで外注でできる製品を望む声が多かったことを受け、Terra Lidar Xを開発するに至った。

 新機種は、ジンバルから全て自社で設計開発を行うことで、DJI製Matrice 300 RTKの積載量をクリアし、製品化に成功。4種類のRIEGL製レーザースキャナーのカスタマイズにも対応している。

 価格は、相場よりも約25%ほどコストカットし、モデル別で500〜1000万円程度の低価格化を実現し、1498万円から提供する。

RIEGL製のドローン搭載型レーザースキャナーをカスタマイズ提供可能 出典:テラドローンプレスリリース

 また、通常のUAVレーザー計測には、高価な解析ソフトや専門人員が必要なため、導入時のハードルとなっていた。そこでテラドローンは、ユーザーのスムーズな活用とコスト削減を目的に、容量/回数が上限無しとなる「クラウド解析プラン」を標準セットに組み込んだ。大手航空測量会社出身の責任者を筆頭に、解析の専門家が無制限に解析を請け負うという。

「Terra Lidar X」のラインアップ 出典:テラドローンプレスリリース

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