「吉祥寺」駅前の旧耐震基準マンション建て替えで環境配慮型オフィスビルにリノベ、ケネディクスと富国生命保険が協働でリノベ

ケネディクスは、「吉祥寺」駅前に所在する築50年の旧耐震基準マンションを解体し、環境配慮型賃貸オフィスビルを着工したと発表した。マンション敷地売却制度を活用し、制度に不動産証券化のスキームを組み込み、ノンリコースローンを調達。区分買収のためのファンドも創設した。

» 2022年11月22日 16時00分 公開
[BUILT]

 ケネディクスは2022年10月13日、「吉祥寺」駅前の築50年の旧耐震基準マンションを解体し、環境配慮型の賃貸オフィスビルを着工したと発表した。なお、敷地の売却にあたり、投資家として富国生命保険と協働でオフィスビル開発に取り組む。

マンション敷地売却制度と不動産証券化を活用

 国土交通省によると、築40年を超えるマンションは2019年末現在で92万戸存在しているが、10年後には約2.3倍の214万戸、20年後には約4.2倍の385万戸となるなど、老朽化や管理組合の担い手不足が進むと見込まれている。こうしたマンションへの対応を目的に、2002年にはマンション建て替え円滑化法が制定。その後、2014年に法改正し、マンション敷地売却制度が創設された。

 ケネディクスはマンション敷地売却制度に着目し、不動産証券化のスキームを組み合わせることでノンリコースローン(非遡及型融資)を調達。さらに、区分買収のためのファンドも創設した。協働してマンション開発に取り組む富国生命保険は、マンション敷地売却決議を経て、敷地を売却する際に招聘した。

旧耐震基準マンションを解体し、環境配慮型賃貸オフィスビルへ再開発 出典:ケネディクスプレスリリース

 再開発プロジェクトでは、投資家への利益還元の他、地域コミュニティー、権利者や利用者など、さまざまな対象に対して価値提供を行うことなどで、老朽化マンションの建て替えを進めていく。

マンション敷地売却制度の概要

 マンション敷地売却制度は、老朽化が進み維持修繕が困難なマンションの再生の円滑化のため2014年に施行された法制度。本制度の活用により、円滑に改修や建替え等を行うことが可能となる。本来であれば民法の規定に則り全員の承認が必要な敷地売却を耐震性が不足しているマンションについては建替えと同じ、5分の4以上の同意で実施することができる。また、敷地売却後は、新たなマンションへの建て替えのみならず、オフィスや商業など立地に適した用途への再生が可能となることから、周辺環境に応じて土地評価を最大化する手法を選択し、資産評価額の最大化を図れる。

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