通信建設会社のミライト・ホールディングスは、2022年7月にミライト・ホールディングス、ミライト、ミライトテクノロジーズの3社を統合し、ミライト・ワンを設立することを公表した。ミライト・ワンでは、2030年に向けたビジョンの「MIRAIT ONE Group Vision 2030」に沿って、「人間中心経営」「事業成長加速」「利益性トップクラス」「データインサイト マネジメント」「ESG経営基盤強化」といった5つのチャレンジを行う。
通信建設会社のミライト・ホールディングスは、決算と今後の経営戦略に関する記者発表会を都内で2022年5月17日に開いた。
会場では、ミライト・ホールディングス 代表取締役社長 中山俊樹氏が、2022年3月期の決算概況や2023年3月期の通期計画、2022〜2026年を対象とした中期経営計画、新会社の設立、「MIRAIT ONE Group Vision 2030」を紹介した。
中山氏は、「2022年3月期の決算概況に関して、受注高は対前期比464億円増の5213憶円で、2020〜2021年の上期にわたり、ICT、環境社会、マルチキャリア、NTT向けの事業が好調だったため、期初に100億円の上方修正を行った。しかし、下期以降は、各キャリアの投資抑制や半導体不足の影響で、環境社会向けを除く、ICT、マルチキャリア、NTT向けの事業が前年割れとなり、上方修正した計画を下回った。だが、2021年度末に、西武建設が当社のグループに連結化され、西武建設の繰越受注高580憶円を計上することで、対前期と比較してプラスとなった」と語った。
続けて、「売上高は対前期比66億円増の4703憶円で、とくにマルチキャリア向けの事業がけん引し、過去最高の売上高を更新して、6期連続の増収となった。しかしながら、下期に全事業の売上が停滞し、期中に上方修正した計画と比べると97憶円のマイナスだった。各事業の売上について、NTT事業の売上高は、北海道、東北、中国地方の高度無線環境整備事業がプラスに働き、対前期比で64億円増の1634億円を達成した。マルチキャリア事業の売上高は、5Gの基地局整備工事が本格化し、対前期比で80憶円増の1062憶円となった。環境社会イノベーション事業の売上高は、電気・照明工事が伸長したが、メガソーラーと空調の工事が低調となり、対前期で25億円減の556憶円だった。ICTソリューション事業の売上高は、データセンターやラントロビジョン向けの取り組みが順調だったが、放送と物販向けの事業が不調となり、対前期比で52億円減の1451憶円を記録した」と述べた。
営業利益は、非通信分野向け事業の利益向上と業務の効率化が功を奏し、対前期比で27憶円増の328憶円となった他、営業利益率は対前期比で0.5ポイントアップの7.0%となり、6期連続の増益を達成し、過去最高の営業利益を更新した。2022年3月期の純利益は、政策保有株の売却と利益率のアップが後押しし、対前期で9億円増の251憶円となった。
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