日建設計は、カーボンニュートラル推進の一環として、建設起因GHG排出量の概算シミュレーションが可能な「概炭ツール」を開発した。
日建設計は、カーボンニュートラル推進の一環として、建設起因GHG排出量の概算シミュレーションが可能な「概炭ツール」を開発し、同社の建築・設計業務で本格運用を開始したことを2022年11月7日に発表した。
国内では、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量をゼロにする「2050年カーボンニュートラル」に向けた動きが本格化している。今後は、さまざまな企業でGHG排出量の情報開示が必要となり、サプライチェーン全体でのGHG削減に向けた取り組みが求められるようになる。なかでも、資機材の製造と施工で発生する建設起因CO2の把握は重要とされている。
そこで、日建設計は、建設起因GHG排出量の概算シミュレーションが行える概炭ツールを開発した。概炭ツールは、活用することで、計画の初期段階から設計完了までの各段階で、建設起因GHG排出量を、工事費と同時に容易にシミュレーションする。さらに、削減するGHGを確認しながら、設計の精度を上げられる。
具体的には、詳細が決まっていない場合も明細を仮想設計により想定でき、詳細情報や追加情報を追加することで、段階的に精度を高められる他、明細内訳に基づき、建物形状や耐震・環境性能の違いによるシミュレーションが簡単に行え、詳細項目の分析が可能なため、コストやGHG排出量への影響が大きな部分を確かめられる。
加えて、設計検討と並行して、CO2排出量と工事費を同時に調べられ、調整に対応したCO2排出削減量と工事費の関係を要素技術ごとに定量的に評価する。
また、GHG排出量算出ツールには、三井不動産と日建設計で設計者・施工者の実務ツールとして策定した「建設時 GHG 排出量算出マニュアル」がある。建設時 GHG 排出量算出マニュアルは、設計・施工の実務で高精度な算出を目的としているのに対して、概炭ツールは、基本計画や基本設計といった段階におけるコストも含めたシミュレーションを対象としている。
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