「2022年上半期の建設市場と人材需給の動向」〜建設市場は堅調、人材不足による供給制約に懸念〜建設業の人材動向レポート(45)(1/3 ページ)

本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「建設総合統計」をもとに、2022年上半期の建設市場の動向を見ていく。

» 2022年10月27日 10時00分 公開

 2022年上半期の建設工事は、民間建設投資は増加したが公共工事は減少し、出来高総計は前年上半期を1.4%下回る微減となった。一方で、2022年6月時点の手持ち工事高は前年比3.7%増、受注高も民間からの受注が増え、前年上半期を5.6%上回るなど、今後は堅調に推移することが予測される。しかしながら、深刻な人材不足状況が続いていることから、労働力不足による供給制約が懸念される。

2022年上半期:全国の建設業の市場動向

■民間建設投資は増加の一方、公共工事は減少。市場全体では前年上期比1.4%減

 2022年上半期(1〜6月)の建設業の市場規模は、国土交通省「建設総合統計」発表の建設工事出来高総額で、25兆470億円となった。2021年上半期は25兆3955億円であり、前年を1.4%下回ったことになる。

 発注者・建設種類別に内訳をみると、民間建築・居住用は前年上半期比2.1%増、民間非住宅+土木は同6.9%増と前年上半期を上回ったが、公共(建築+土木)の出来高が同9.0%減と前年上半期割れとなった。

 2022年上半期は、コロナ禍がある程度落ち着き、景気も回復傾向であることを背景に民間の建設投資が増加したが、公共工事の減少に伴い、建設市場全体は微減となった。

※ 建設工事出来高総額:契約済みの建設工事における請負金額のうち、施工が完了した部分に相当する金額分の累計出来高

【図表1 2022年上半期:建設工事出来高累計】 出典:国土交通省「建設総合統計」より建設HR 編集部が作成

■2022年5月以降は工場や倉庫への建設投資が増加、市場全体はやや上向きで推移

 2022年上半期の建設工事の出来高総計を月別にみると、1月から4月までは前年同月を下回っているが、5月は前年同月比0.7%増、6月は同1.2%増と増加に転じており、建設市場はやや上向きで推移している(図表2)。

 発注者・建設種類別では、民間建築・居住用の出来高の前年同月比は低下傾向であるが、民間非住宅+土木は上昇傾向となっている。このことから、住宅市場の伸びが鈍る一方、民間設備投資の回復を背景に工場・倉庫・店舗・オフィスなどへの建設投資が増加していると推測される(図表3、4)。また、公共工事も前年同月割れではあるが、徐々に回復しつつある(図表5)。

【図表2 出来高総計の月別の推移】 出典:国土交通省「建設総合統計」より建設HR 編集部が作成
【図表3 民間建築・居住用の出来高の推移】 出典:国土交通省「建設総合統計」より建設HR 編集部が作成
【図表4 民間非住宅+土木の出来高の推移】 出典:国土交通省「建設総合統計」より建設HR 編集部が作成
【図表5 公共工事(建築+土木)の出来高の推移】 出典:国土交通省「建設総合統計」より建設HR 編集部が作成
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