CEMEXは、建設用3Dプリンタ技術を保有するCOBODへの追加投資を発表した。これまでに両社の連携で実現させたレディーミックス(生)コンクリートによるプリンティングは世界初をうたっているが、今後住宅ニーズに照準を絞った新たな材料開発にも取り組む考えだ。
メキシコに拠点を置くセメントメジャーのCEMEX(セメックス)は、同社で建設ソリューションの新規開発を進めるベンチャーキャピタルを担う「CEMEX Ventures」を通じ、建設用3Dプリンタ技術を持つデンマークのCOBODに投資すると発表した。
両社は2021年から、3Dプリンティング分野の技術革新に共同で取り組み、従来の3Dプリントに比べ大幅なコスト削減が実現する生コンクリートを建築工程に利用した3Dプリントソリューションをリリース。
今回の投資により、CEMEXは3Dプリンティング技術を強化し、住宅ニーズに対応するための新たな手段を追加することになる。
COBODは、これまでにもオーソドックスなレディーミックスコンクリートを材料に使った3Dプリンタ技術で、他の一般的なモルタルなどの原料と比較して、簡便かつ安価に施工できる優位性を武器に構造物を施工してきた。
COBODのこれまでの実績では、2017年に欧州初となる、3Dプリンティングで建造物を施工。特にベルギーとドイツでは2〜3階建ての建築物、ドバイやアフリカでも風力発電施設などを手掛け、日々技術を蓄積している。
また、3Dプリントについては、オープンソース戦略を打ち出しており、CEMEXをはじめ日本の日揮や米ゼネラル・エレクトリック、独ペリなどグローバル企業とも提携。保有している建設用3Dプリンティングや多機能建設ロボットなどの普及戦略を企業ビジョンに掲げる。
レディーミックスコンクリートを使った工法では、「D.fab(ディーファブ)」という独自の混和剤システムを用いている。現在の3Dプリントは、高度に専門的で高価なモルタルを使用しているが、「D(デジタル)」と「fab(製造)」の複合語であるD.fabシステムは、さまざまな種類のコンクリートを3Dプリンティングの構造に合わせて調整することで、少ない材料で効率的でコストを抑えたこれまでにない施工プロセスが実現する。
材料となるコンクリートは、セメント、砂、補助セメント状の材料(スラグやフライアッシュ)などに対応しており、使用する砂利に左右されない堅牢性が利点となっている。
混和剤システムは、コンクリート混合物の体積を保持して、プリンティング層の即時積層が可能なように設計されている。強度を保持しつつ、施工プロセスを高速化し、材料を節約する。さらに、D.fabコンクリートの機械的特性は従来のコンクリートとそん色なく、造形の初期段階から4時間程度、最大24時間までの強度を発現した。さらに、耐久性を測るために、凍結融解試験を実施。材料の劣化が少ないことのほか、CO2フットプリントもモルタル材料に比べて1.5倍程度抑えられ、より持続可能な施工方法であることを確認しており、両社は活用の幅が広がることに期待を寄せている。
COBODのこれまでの実績では、2017年に欧州で初めて、3Dプリンティングで建造物を施工した。ベルギーとドイツでは2〜3階建ての建築物、ドバイやアフリカなどでも風力発電施設など、多数の施工を手掛け、日々技術を蓄積している。
また、3Dプリントについては、オープンソース戦略を打ち出しており、CEMEXをはじめ日本の日揮や米ゼネラル・エレクトリック、独ペリなどグローバル企業とも提携。保有している建設用3Dプリンティングや多機能建設ロボットなどの普及戦略を企業ビジョンに掲げている。
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