住宅産業研究所は、2021年4月1日〜2022年3月31日に「2021年度 都道府県別 低層住宅供給動向」調査を現地調査により行った。毎年、全国47都道府県の企業別の住宅供給動向を明らかにしている。住宅事業者社数は減少傾向で、特に零細企業の淘汰が進んでいるとみられる。
住宅産業研究所は、2021年4月1日〜2022年3月31日に「2021年度 都道府県別 低層住宅供給動向」の現地調査を実施した。同社による全国47都道府県の企業別の住宅供給動向の調査は毎年実施されている。
国土交通省による2021年度新設住宅着工戸数は前年比6.6%増の86万5909戸で、新型コロナウイルスの影響で着工戸数を落とした2020年度から増えているが、本格的な回復とはいえない状況だ。
一方、同社によると、住宅建築を行う際に各自治体に提出する「建築確認申請」を2021年度1棟以上提出した住宅事業者社数は2万9102社と、前年度から3.8%少ない1156社減となり、2018〜2019年度の921社減、2019〜2020年度の1764社減に続き、3年連続の減少となった。着工戸数は増加したが、住宅事業者数はさらに減少した。
2022年度の住宅着工も、統計ベースでは4〜6月累計で1.3%減、持家では8.9%減と厳しい立ち上がりだ。資材価格高騰の影響から値上げを余儀なくされる企業も多く、日本全体のインフレ傾向から、住宅の買い控えの発生も予想され、2021年度よりも住宅を供給する住宅事業者社数が減少する可能性は否定できないという。
この2年で3000社近く減ったが、これは元請けまたは事業主として着工が認められた企業数が減少したのであり、全てが廃業したわけではない。ただし、元請けとなる企業は明らかに減少傾向で、コロナ禍が住宅業界の供給構造に変化を及ぼしたと考えられるとのことだ。
低層住宅市場全体では、供給規模の大きい年間200棟以上を供給する企業数が増加し、20棟未満のみ供給の中小工務店は減少、中小工務店を中心に元請けとしての供給を減らすケースが依然として多い。持家戸建住宅だけに限ると、2021年度は2万3977社が1棟以上の住宅供給を行っている。年間20棟以上を供給する企業は増加した一方で、20棟未満では減少しており、零細企業の淘汰が進んでいると見られるという。
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