エアロセンスは、ドローンによる測量や点検、防災といった幅広い分野で各種サービスを展開している。最新のドローンソリューションでは、長時間飛行と高速データ伝送が可能な有線給電ドローンを用いた「映像遠隔伝送ソリューション」を積極提案している。有線給電ドローンであれば、遠隔操作している複数の建機が稼働する建設現場を上空から長時間にわたり俯瞰で捉え、それぞれのマシンの距離や周辺状況をリアルタイム映像で把握できるようになる。
エアロセンスは、「Japan Drone2022|第7回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2022年6月21〜23日、千葉・幕張メッセ)で、有線給電ドローンを活用したソリューションをPRした。飛行するドローンと地上をケーブルでつなぐことで、長時間のドローン運用と高速なデータ通信が可能になる。防災、警備、監視、イベントのライブ配信などのほか、建設分野でも活用が期待されている。
今展では、エアロセンスは「長時間/リアルタイム」「広域/高速」「高精度/簡便」の各テーマ設定でブースを構成。有線型のドローンは、このうち長時間/リアルタイムのカテゴリーに属する。
上空を飛行しながら各種データを取得するドローンは、どうしても“飛行時間”の制約が足かせとなる。一般的なドローンの動力源は、バッテリーやエンジン、燃料電池などだが、いずれのタイプでも飛行時間に限りがある。そのため、屋外コンサートのような長時間の催しを最初から最後まで、連続して中継するようなことはできなかった。
有線ドローンは、もともとは屋外イベントの放送中継用に開発。放送車から有線でドローンに電力を供給し、イベント会場の上空にドローンを飛ばす。ドローンに搭載したカメラが捉えた俯瞰映像も、有線ケーブルを使って放送車に転送する。有線の利点で、長時間フライトが可能になるだけなく、光ファイバーケーブルによるデータ転送で高品位のデータを高速に送れる。
映像遠隔伝送ソリューションは、音楽フェスのような1日中開催されるイベントの中継をはじめ、ゴルフやプロ野球、マラソンといったスポーツや花火の大会に威力を発揮する。約2年前に商品化され、各種の中継に活用されてきたという。
今回の展示は、2021年にケーブルの巻き取り機構「AEROBO reel(エアロボリール)」がリリースされたことを受けての披露となる。
AEROBO reelは、飛行するドローンの動きに合わせて、ケーブルの送り出しと巻き取りを自動で行う。リールに格納されたケーブルは100メートルだが、ケーブル長を制限する機能も備えている。
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