積水ハウスとNECが分譲マンションの顔認証サービスで連携、家族の帰宅通知や共有鍵の置き配など：顔認証

積水ハウスとNECは、集合住宅にまつわる荷物の再配達や不在時の代行サービスなど、多種多様な課題に対し、顔認証システムを導入することで、住居者の利便性やセキュリティの向上に向けて取り組む。

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　積水ハウスとNECは、集合住宅における顔認証システムを活用した取り組みで連携することを明らかにした。第一弾として、2023年11月に神奈川県川崎市高津区で完成する積水ハウスの分譲マンション「グランドメゾン溝の口の杜」で、NECの顔認証システムを活用したエントランス及び玄関ドアの解錠や共用施設の予約、サービス事業者との協業による月額制でサービスの提供を行う。

顔認証でドア解錠や共用施設の予約などで、居住者の利便性向上へ

　積水ハウスでは、住まい手のそれぞれのライフスタイルによって構成される“住宅集合”をつくるという考えのもと、首都圏／中部／関西／福岡のエリアでマンション事業を展開している。

　一方でNECは、独自の生体認証技術を用い、生体情報をデジタルIDとしてさまざまな領域でのサービス化に取り組んでいる。その1つとして、顔認証技術による「次世代マンションサービス」を集合住宅の事業者に提供し、集合住宅内での安全や安心、便利な住生活をデジタルで支援することを進めている。

　連携の目的は、住宅には、鍵の置き忘れや紛失のリスクがあり、不在時に荷物が受け取れず再配達となる問題、外出時の子どもや高齢者の安否確認、不在時の代行サービス利用のハードルなど、住まい手が感じる多様な不便や課題を解消することにある。

　今回の積水ハウスとNECの連携により、グランドメゾン溝の口の杜で導入を検討している顔認証システムを活用したサービスは、居住者のエントランスや玄関ドアの解錠、共用施設の予約、ゲストの入退登録、家族の帰宅通知、ウォーターサーバ用ボトルの置き配の5つのサービス。

「グランドメゾン溝の口の杜」のイメージパース　出典：積水ハウスプレスリリース

　このうち、居住者のエントランスや玄関ドアの解錠は、マスクを装着したまま、非接触でドアをオープン。感染症対策として有効で、荷物などで両手が塞（ふさ）がっていてもスムーズに入館／入室ができ、仮に鍵を忘れたり紛失したりして自宅に入れないというリスクもなくなる。

　また、共用施設の個室ブース予約や共用備品の予約がアプリ上でも可能になり、ゲストの顔情報をアプリで事前登録すれば、ゲストがマンションを訪れた際に顔認証でスムーズに入室することも実現する。さらに、家族の帰宅通知で、誰が、いつ、入館や入室したかをスマートフォンのアプリに通知し、子供など家族の帰宅を離れた場所でも見守れる。

　その他にも、ミネラルウォーターの製造や販売会社とも協業し、顔認証を活用した合鍵共有機能で玄関前の置き配スペースに届ける。これにより、不在時の再配達を回避し、住まい手の利便性向上につなげる。

　その先には、宅配事業者やネットスーパーとの連携による共有鍵での置き配、飲料メーカーやエネルギー事業者などとの自動販売機やEV充電器の顔認証決済、家事やクリーニングの代行にも顔認証の活用を計画している。

　実証実験を行うグランドメゾン溝の口の杜は、東急田園都市線「溝の口」駅から徒歩12分、JR南武線「武蔵溝ノ口」駅から徒歩11分の住宅エリアに位置する川崎市高津区久本三丁目に建設中の総戸数123戸のマンションプロジェクト。四季折々の表情を見せる緑豊かな中庭を設け、自然を感じられる個別ブースも構えた在宅ワーク可能なラウンジも備えるなど、街の利便性を享受しながら、自然を“日常”として身近に感じられる住まいを提供する。