長谷工が1時間で1住戸の約90%を清掃するロボを開発、小型かつ軽量で運搬が容易ロボット

長谷工コーポレーションは、スマートロボティクスとともに、マンション建設現場向けの自動清掃ロボット「HRXスイーパーS HIPPO」を開発した。今後は、HRXスイーパーS HIPPOを利用し、現場の省人化と省力化で労働環境の改善を目指す。

» 2022年09月14日 07時00分 公開
[BUILT]

 長谷工コーポレーションは、スマートロボティクスとともに、マンション建設現場向けの自動清掃ロボット「HRXスイーパーS HIPPO(以下、HIPPO)」を開発し、試作機の運用を開始したことを2022年9月5日に発表した。

スマートフォンでHIPPOの清掃状況を遠隔監視可能

 多くの建設現場では、4週8休や残業時間の規制といった労働環境を改善するために業務の効率化が求められている他、現場の清掃業務は安全安心を確保するために欠かせない業務だが、毎日の作業時間を圧迫するため自動化が必要とされていた。

 そこで、長谷工コーポレーションは、現場で排出されるコンクート片やクギ、粉じん、木片といった廃棄物を安全に補修可能なロボットのHIPPOを開発した。HIPPOは、人手で持ち運びが容易で、誰でも簡単に扱える。例えば、約70平方メートルの住戸であれば1時間で全体の約90%を掃除できる。

持ち運びが可能な「HRXスイーパーS HIPPO」(左)と現場清掃している様子(右) 出典:長谷工コーポレーションプレスリリース

 具体的には、落下回避機能や自動停止機能を搭載しており、安全に自動清掃が行えるだけでなく、小型かつ軽量で、設置された取手によりスーツケースのように運べる。さらに、土のう袋を使えるため専用のごみパックが不要で、ブラシで掃き取る方式を導入しているため、さまざまな形状の廃棄物を清掃する。

 加えて、事前の地図作成が必要なく、現場でスイッチを押すだけで操れ、桟木材を置くことで、清掃エリアの指定が行える。また、スマートフォンを用いて清掃状況の遠隔監視に対応し、エラー発生時にスマホにアラートが送られる。

 なお、長谷工コーポレーションでは、2022年7月に実際のマンション建設現場で試作機の運用を開始し、同年9月に本格的な運用検証をスタートした。

「HRXスイーパーS HIPPO」の仕様 出典:長谷工コーポレーションプレスリリース

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