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» 2020年12月17日 07時00分 公開

パナソニック LS社が人の密集を可視化するシステムを開発、濃厚接触者の追跡に貢献密回避ソリューションセミナー

パナソニック ライフソリューションズ社は、建物内の人が密集するエリアを可視化する屋内位置情報システムを開発した。屋内位置情報システムは、既にリリースしている監視カメラシステムや入退室管理システム「eX-SG」と組み合わせて使用することで、社内で感染者が出た時に濃厚接触者を追跡することができる。

[遠藤和宏,BUILT]

 パナソニック ライフソリューションズ社は2020年9月17日、オンラインで、「密回避ソリューションセミナー」を開催した。

 会場では、パナソニック ライフソリューションズ社 マーケティング本部 エンジニアリング事業統括部 テクニカルセンター 課長 豊澄幸太郎氏が3密を回避できるソリューションを説明した。

各社員の出勤率や席の利用率も可視化

 豊澄氏は、3密を回避できるソリューションとして、同社製の「屋内位置情報システム(Local Positioning System)」、監視カメラシステム、入退室管理システム「eX-SG」の他、スポットライト型プロジェクター「Space Player」、オフィスビル清掃向けロボット掃除機「RULO Pro」を紹介した。

パナソニック ライフソリューションズ社 マーケティング本部 エンジニアリング事業統括部 テクニカルセンター 課長 豊澄幸太郎氏

 屋内位置情報システムは、ビーコンを携帯した個人の位置データを取得できるもので、GPS信号が届かない建物内のオフィスや地下街などで位置情報を測定する。システムは、ユーザーが持ったビーコンが、フロアの天井に埋設したLPSスキャナーとBluetoothで通信することにより位置を導き出す。

屋内位置情報システムのイメージ

 「屋内位置情報システムで取得したデータを外部のシステムでリアルタイムに解析し、専用アプリで見える化することで、ユーザーは場所を選ばず、特定のエリアでの従業員の人数を把握できる。システムを用いて、密集状態のエリアにいる人のスマートフォンにアラートを飛ばして、移動も促せ、各社員の出勤率や席と特定エリアの利用率も可視化する」(豊澄氏)。

 監視カメラシステムは、セキュリティカメラ「i-PRO 屋内モデルWV-S4150」で得られた映像から、指定の通路を通過した人数の計測や人物の動線と滞在時間を可視化し、指定のエリアにおける混雑具合を確かめられる。

 具体的には、「人数カウント」「ヒートマップ」「動体除去(MOR)」の3機能を備えており、人数カウントは、魚眼映像上に設定したラインを通った人数を数え、最大12本のライン上で双方向に歩く人を集計できる。

監視カメラシステムの機能

 ヒートマップは、監視カメラで取得した映像から人の通過量や一定時間とどまった状態をヒートマップで表示し、人物の動きと動線や滞留、滞在時間を見える化する。動体除去は、監視画像から人の動体を取り除いた画像を生成し、カメラに映っている人のプライバシーを保護する。

 i-PRO 屋内モデルWV-S415は、高画質5M(メガ)ピクセルイメージセンサーを搭載しており、カメラの下方における全方位をクリアでゆがみ無く撮影する。

 eX-SGは、社員のIDを統合管理し、セキュリティゲートの開閉やエレベーターの自動コントロール、顔認証端末の制御、入退室履歴が残せ、ID登録数は最大10万IDで、履歴保存件数は最大500万件に及ぶ。管理ゲート数は最大1200万ゲートで、対応カード機種は「FeliCa」「Mifare(type)」「eLWISE(typeB)」の3種類。

 豊澄氏は、「屋内位置情報システムや監視カメラシステム、eX-SGで取得したデータを活用し、社内で感染者が出た時に濃厚接触者を追跡することができる」と各システムを組み合わせることで生じる効果をコメントした。

屋内位置情報システムや監視カメラシステム、eX-SGで取得したデータを活用した感染者影響特定ダッシュボード

 Space Playerは、配線ダクトに設置するだけで映像を投映可能で、床面に一定の距離を保つように映像で案内し、壁面に「マスク着用」や「対面を避けて」と映写することで、密集を避けるように注意喚起する。

 RULO Proは、搭載されたレーザーセンサーや赤外線センサー、超音波センサー、バンパと同社独自のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術で、壁際まで接近し、床面を清掃する。通信機能を備えており、遠隔で本体の運転状況をスマートフォンなどで調べられる。同機の走行状況は、あらかじめメールアドレスを登録したスマートフォンや携帯電話、タブレットへリアルタイムに通知するため、清掃終了や異常停止などの確認が容易だ。

 安全面に関しては、前方に障害物がある場合は、3メートル手前でRULO Proのセンサーが感知し、1メートル手前で停止する。RULO Proが人に衝突しても、バンパーセンサーに軟質材を採用しており衝撃は軽微で、ぶつかった後、後退して一時停止または回避し、掃除を継続する。「RULO Proを施設の清掃作業に導入することで、清掃員を削減し、密閉・密集・密接の回避にもつながる」(豊澄氏)。

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