環境配慮型コンクリートの適用で「181t-CO2」のJ-クレジットを取得、鹿島建設導入事例

鹿島建設は、コンクリートの製造と運搬に関わるCO2排出量をブロックチェーン技術により見える化するプラットフォームを2022年3月に開発し、東京都豊島区で保有する施設「ドーミー南長崎アネックス」の新築工事で適用した。

» 2022年08月16日 09時00分 公開
[BUILT]

 鹿島建設は、コンクリートの製造と運搬に関わるCO2排出量をブロックチェーン技術により見える化するプラットフォームを2022年3月に開発し、今回のプラットフォームを初めて用いて、国が運営する「J-クレジット制度」で「181t-CO2」のクレジット(J-クレジット)を取得したことを2022年8月9日に発表した。

「削減活動実績報告リスト」の自動作成機能でクレジットの取得をスムーズに

 同社は、東京都豊島区で保有する施設「ドーミー南長崎アネックス」の新築工事で、通常のコンクリートよりもセメントの使用量が少ない環境配慮型コンクリートを使用し、コンクリートの製造・運搬で生じるCO2排出量のカットを実現して、J-クレジットを取得した。

環境配慮型コンクリートを適用した「ドーミー南長崎アネックス」(左)と取得クレジットの算定方法(右) 出典:鹿島建設プレスリリース

 具体的には、地下構造に「ECMコンクリート」を利用し、上部構造に「エコクリート BLS」を適用している。さらに、工事では、コンクリートを構成する各材料の製造から現場打設に至るまでに関わる各サプライヤーの取引情報(配合や運搬数量など)を今回のプラットフォームに取り込むことで、コンクリート製造と運搬のサプライチェーンにおけるCO2排出量を算定した。

 加えて、プラットフォームには、J-クレジット取得に必要な「削減活動実績報告リスト」の自動作成機能があり、クレジットの取得手続きをスムーズに進められることが分かった。今後は、プラットフォームを活用し、J-クレジットの取得を推進するとともに、環境配慮型コンクリートを適用した建築物のさらなる普及展開を図る。

ドーミー南長崎アネックスの概要

 ドーミー南長崎アネックスは、RC造地上5階建てで、延べ床面積は4177.73平方メートル。所在地は東京都豊島区南長崎で、設計は鹿島建設 建築設計本部が担当し、施工は鹿島建設 東京建築支店が担い、竣工は2022年2月。

「ドーミー南長崎アネックス」の外観 出典:鹿島建設プレスリリース

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