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» 2022年04月06日 07時00分 公開

コンクリの製造などで生じるCO2排出量を可視化するプラットフォームを開発、鹿島建設ブロックチェーン

鹿島建設は、コンクリートの製造・運搬におけるCO2排出量をブロックチェーン技術により見える化するプラットフォームを開発した。プラットフォームは、導入することで、コンクリートを現場で受け入れるまでに各所で排出されたCO2排出量を可視化し、サプライチェーン全体のCO2排出量を顧客に提示できるようになる。さらに、環境配慮型コンクリートの使用を踏まえて、CO2排出削減量をJ-クレジットに変えられる。

[BUILT]

 鹿島建設は、コンクリートの製造・運搬におけるCO2排出量をブロックチェーン技術※1により見える化するプラットフォームを開発し、社会実装に向けた実証を開始したことを2022年3月29日に発表した。

※1 ブロックチェーン技術:参加者全員がデータを共有する分散型台帳システム。書き込み時のルールに基づき全ての台帳に同じデータが書き込まれる。書き込まれたデータは上書きされず履歴が残るため、透明性が高い。

複数の企業によるCO2排出量の重複計上も防止可能

 国内外では、2050年までにカーボンニュートラルを実現するための動きが増えており、さまざまな活動に伴い発生するCO2排出量を見える化することへのニーズが高まっている。建設分野でも、顧客に提供するインフラ・建築物の建設サプライチェーン全体で、CO2排出量の提示が必要となる。

 そこで、鹿島建設は、建設サプライチェーン全体におけるCO2排出量の正確な把握・算定を目標に掲げ、初弾として、建設資材の中でも使用量が多量で、CO2排出量が多いコンクリートの製造と運搬時におけるCO2排出量を見える化するプラットフォームを開発した。

「ブロックチェーンプラットフォーム」のイメージ図 出典:鹿島建設プレスリリース

 プラットフォームは、目に見えないCO2の排出量や削減・固定量を正確に可視化することを目標に開発した。具体的には、コンクリートを構成する各材料の製造から現場打設に至るまで、各サプライヤーの取引情報(配合や運搬数量など)をプラットフォームに取り込むことで、コンクリート製造・運搬に関わるサプライチェーンのCO2排出量を算定できる。

 算定に当たっては、真正性や透明性、改ざん防止性を持つブロックチェーン技術を活用して情報管理することで、情報のトレーサビリティーが確保される他、参加企業間で同一情報を共有しやすくなり、複数の企業によるCO2排出量の重複計上も防げる。

 さらに、環境配慮型コンクリートの使用に伴うCO2排出削減量をJ-クレジット※2化する際には、データを一元的に管理するプラットフォームを活用することで、スムーズに取得手続きを進められる。

※2 J-クレジット精度:省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2などの排出削減量、適切な森林管理によるCO2の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度

 今後、鹿島建設は、開発したプラットフォームを活用し、現在施工を進めているプロジェクトのコンクリート製造・運搬で生じるCO2排出量の算定だけでなく、環境配慮型コンクリートの使用に伴うJ-クレジットの創出を実証する。

 加えて、予定されている自社プロジェクトへの適用とともに、各サプライヤーの取引情報を取得する方法の自動化で活用し、業界に広く展開していくことで、建設生産活動の継続とCO2排出量削減の両立を目指す。

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