現場写真の撮影や整理は、工事に際して日々発生する業務であり、施工会社の大きな負担になっている。小田島組の「カエレル」は、現場写真の整理/管理を行うアウトソーシングサービス。時間と手間が掛かる現場写真の整理を外注すれば、その空いた分のリソースで、より重要な業務に集中できるようになるというわけだ。
岩手県全域で土木工事を手掛けている小田島組は、「第4回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」(会期:2022年5月25〜27日、幕張メッセ)で、現場写真の整理サービス「カエレル」を展示した。
建設工事を行う施工会社では、施工や出来形の記録に必要な写真を日々撮影し、それを管理することが求められる。カエレルは、この現場写真の整理/管理機能を提供するアウトソーシングサービスだ。
工事現場の写真管理としては、PCにインストールするタイプのソフトウェアも販売されている。しかし、カエレルがそれらと違うのは、多くの土木工事経験を持つ元請け会社の小田島組自体がサービスを運営し、分類作業も現場業務を熟知した社員が行っている点にある。価格設定も写真枚数によって決まるシンプルな料金体系で、導入しやすいのも大きなセールスポイントとなっている。
施工会社にとって、工事の進捗状況を記録する現場写真の整理や管理は常に悩み。現場写真は、工事の進捗に応じて日々増えるが、多くの場合、その管理は1日の工事を終えた後、事務所に戻ってからの業務となる。さらに作業そのものが煩雑であり、しかも夕方からとりかかるため、残業の原因になりやすい。
「スコップとPCを使える社員を育てる」をモットーに掲げる小田島組が運営するカエレルは、工事現場に特化した写真の整理/管理サービス。サービスを利用することで、現場の担当者は写真整理から開放され、より現場に集中したり、創造的な業務に時間を使えるようになる。もちろん、時間の掛かる写真整理の作業がなくなるので、残業も減るだろう。カエレルというサービス名には、現場写真の整理/管理作業をアウトソーシングして、残業をせずに、早く自宅に帰れるようになるとの思いが込められている。
利用手順は、まずカエレルを申し込むと、スタータキットが届く。キットの中身は、事務所などで使うPC、インターネットに接続するためのルーター、現場の写真撮影に使うiPhoneなど。
撮影にはiPhoneを使うが、その理由は現場写真の撮影に適したアプリを使うため。アプリを使うことで、撮影内容が記入できるようになる。一般的なデジカメでの撮影でも可能だが、撮影内容を後から入力する必要がある。
カエレルの利用はとても簡単。現場の作業員がやることは、iPhoneで撮影し、必要事項を記入してスタータセットに含まれるPCに保存するだけだ。保存した現場画像は、カエレルの運営スタッフが外部からPCにアクセスして整理する。
カエレルは、料金設定がシンプルなのも特長。月額1万円の基本料金と写真整理料金(1枚あたり150円)のみなので、中小建設業でも導入しやすい。
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