竹中工務店は、YSLソリューションとともに、BIMとiPadを用いて設備工事の各種検査と試験の記録作成を行いデジタルで一元管理をする設備施工管理手法を開発した。これにより、竹中工務店と設備協力会社は、書類作成の省力化やBIMとデジタルデータに基づく確実な施工エビデンスの記録・管理を実現し、生産性向上を図るとともに、建設現場における働き方改革の推進と建設業の魅力向上を目指す。
竹中工務店は、YSLソリューションとともに、BIMとiPadを用いて設備工事の各種検査と試験の記録作成を行いデジタルで一元管理をする設備施工管理手法を開発したことを2022年6月13日に発表した。
これまでの管理手法では、OSにWindowsを採用したタブレット端末をハードウェアとして使用していたが、今回の管理手法では、広く建設業界で導入されているiPadをハードウェアとして使用する。
利用するソフトウェアには、YSLソリューションの建設ドキュメント共有アプリ「CheX」を活用し、iPad上でBIMモデルを確認しながら、スリーブ検査や区画貫通記録、配管圧力試験、配管排水試験、その他汎用記録の検査・試験を行え、その記録を自動作成可能。
こういった複数の異なる検査と試験の記録を、BIMモデルとひも付けてデジタルデータとして一元的に管理することで、記録のペーパーレス管理と進捗管理に応じる。
竹中工務店では、同社が保有する作業所で検査準備・試験計画作成から記録作成までの業務量全体で検証したところ、スリーブ検査では約25%、配管圧力試験と配管排水試験では約20%の業務量削減効果を確認した。
加えて、従来は紙で管理していた検査記録(試験データ・立会写真・試験範囲図)を、BIMを中心に一元管理することで、検査記録作成の効率化と検査進捗の見える化により、検査忘れの未然防止効果も得られることを確かめた。
活用するBIMモデルに関して、検査・試験用に特別に作成したBIMモデルではなく、CADソフト「Rebro」やBIMソフト「Revit」などで施工図用に作成したBIMモデルをIFCファイル形式で出力したものをCheXに登録することで、今回の開発手法に適用でき、さまざまなケースで使える。
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