「遠隔臨場」本格実施のため実施要領を制定、土木・施設工事に現場管理

NEXCO中日本は、工事・維持修繕作業の施工現場での「材料確認」や「現地立会」などの作業を遠隔臨場で実施するための「遠隔臨場実施要領」を制定し、土木・施設工事などに原則適用することにした。受注者・発注者双方に労働時間の削減効果があり、施工管理業務の省力化に寄与する。

» 2022年06月20日 08時00分 公開
[BUILT]

 NEXCO中日本は、工事・維持修繕作業の施工現場での「材料確認」や「現地立会」などの作業を遠隔臨場で実施するための「遠隔臨場実施要領」を制定し、土木・施設工事などに原則適用することにした。

 遠隔臨場とは、現場の受注者がウェアラブルカメラなどを用いて、リアルタイムに現場の状況を撮影し、発注者は現場から離れた事務所で映像を確認することで、受注者の現地立会時の手待ち時間の削減や発注者の現地立会に要する移動時間の削減など、受発注者双方の工事管理業務を効率化し、生産性向上を図れる。

遠隔臨場のイメージ 遠隔臨場のイメージ 出典:中日本高速道路プレスリリース

 これまでの建設工事の過程では、契約書どおりに施工されているかを確認するため、検査などは現地で受注者と発注者双方の目視などで実施してきた。

 しかし、少子高齢化に伴う労働生産人口の減少を背景に、工事や工事管理業務に係る人員不足が進展している。現行の労働集約型の工事管理業務の進め方では、出来形管理、品質管理、安全管理などの施工管理を適切に行うことができず、事業の安全かつ円滑な進捗に重大な影響を及ぼす恐れがあった。同社はその対策として、施工管理の省力化を目的に、ウェアラブルカメラなどのICTを用いた遠隔臨場の導入を試行してきた。

 試行結果から、遠隔臨場は受注者と発注者の双方について労働時間の削減効果があり、施工管理業務の省力化に寄与することが確認された。そのため積極的な活用に向けて遠隔臨場の「検査等の適用の範囲」や「使用する機器や留意事項」などを実施要領として制定した。

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